【夢ことほぎ】枝の夢の心理学的意味|由来・背景

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【夢ことほぎ】枝の夢の心理学的意味|由来・背景

枝の夢が持つ基本的な意味については、こちらの夢占い記事で解説しています。

この記事では、なぜ枝が、夢の中で「広がっていく可能性」と「人とのつながり」の両方を映すのかを、木を心の鏡として読んできた二人の心理学者の視点と、枝を神聖なしるしや約束のたとえとして大切にしてきた、日本と西洋の文化から掘り下げてみます。

木と心の関係を考えるとき、まず取り上げたいのが、スイスの心理学者カール・コッホが1949年にまとめた「バウムテスト」です。

これは、「実のなる木を一本描いてください」とだけ伝えて絵を描いてもらい、その木の形から、描いた人の心の状態を読み取ろうとする方法です。

幹はその人の中心となる力、根は安定や土台、そして枝は、外の世界へどう手を伸ばしていくか、周りの人や物事とどうかかわろうとしているかを映すものとして読まれてきました。

枝が大きく広がっているか、小さく縮こまっているか、どちらの方向へ伸びているか。そこに、その人がいま外の世界とどう向き合っているかが表れると考えられたのです。

一方、同じスイスの心理学者ユングは、木を、人が一生をかけて自分らしく成長していく過程そのものの象徴として見ていました。

ユングは1945年の論文「哲学の木」の中で、患者たちが描いた木の絵や、世界の神話や錬金術に現れる木のイメージを取り上げ、木が、根を下ろし、天に向かって枝を広げながら育っていく姿に、心の成長の道のりが重ねられてきたことを論じています。

コッホが、描かれた枝から「いまの心の状態」を読み取ろうとしたのに対して、ユングは、枝を広げていく木の姿に「これからの成長の道のり」を見たといえるでしょう。

枝の夢を見たとき、あなたの心に残ったのが、枝のいまの様子だったのか、それとも伸びていく先の景色だったのか。

その違いが、夢が伝えようとしていることを読み分ける手がかりになります。

日本では、枝は古くから、神さまと人とを結ぶ特別なものとして扱われてきました。神社で神前に捧げる玉串は、榊の枝に紙垂(しで)をつけたものです。

「榊」という字は、木へんに神と書く、日本で作られた漢字で、その名の由来には、神の世界と人の世界の境に立つ木を意味する「境木(さかき)」から来たという説などがあります。

一本の枝が、目に見えない世界へ願いを届ける橋渡しの役目を担ってきたのです。

また、本にはさむ「しおり(栞)」は、山道で木の枝を折って道しるべにした「枝折る(しおる)」に由来するといわれています。迷わないために、自分の歩いた道に目印を残す。枝は、人生の道しるべとしての意味も持ってきました。

そして枝は、人と人との結びつきのたとえにもなりました。中国・唐の詩人白居易は『長恨歌』の中で、別々の木の枝がつながって一つになった「連理の枝」を、永遠の愛のたとえとして詠みました。

この詩は日本でも深く愛され、『源氏物語』の冒頭、桐壺の巻では、亡き更衣をしのぶ帝の思いが、「翼をならべ、枝をかはさむ」という、この詩をふまえた言葉で語られています。

西洋に目を向けると、旧約聖書の「ノアの方舟」の物語が思い浮かびます。大洪水のあと、ノアが放った鳩が、オリーブの若葉をくわえて舟に戻ってきたことで、ノアは水が引きはじめたことを知りました。

この話から、オリーブの枝は、希望と平和の象徴として受け継がれていきます。

さらにイギリスの人類学者ジェームズ・フレイザーは、1890年に刊行した『金枝篇』の中で、古代ローマ近郊のネミの森で、聖なる木の「金の枝」を手にした者が、森の祭司の座を継ぐという言い伝えを出発点に、世界各地の信仰や儀礼を比べていきました。

枝は、東西を問わず、新しい始まりや、特別な力を受け継ぐしるしだったのです。

いまの心を映す枝と、これからの成長を示す枝。そして、神と人、人と人、過去と未来を結んできた枝の長い歴史。枝の夢は、あなたがいま、どちらへ手を伸ばし、誰とつながっていきたいのかを、そっと問いかけているのかもしれません。

ここまでの内容をもとにした、夢の意味をたどる創作ストーリーは、こちらの夢物語でお楽しみいただけます。

よくある質問

夢に出てきた枝が、左右どちらかにだけ伸びていたのには意味がありますか?

バウムテストでは、枝や木の広がり方の偏りに、心の向きが表れると考えられてきました。ただし、左右の意味を一つに決めつける読み方には慎重な意見も多く、夢占いでも、方向そのものより、そのとき感じた気持ちを大切にします。

伸びていく先に明るい光があったなら前へ進みたい気持ちを、壁や暗がりがあったなら行き詰まりを感じている状態を映していると読んでみてください。

神社で榊の枝を受け取る夢には、どんな意味がありますか?

玉串に使われる榊は、神さまと人とを結ぶ木とされてきました。その枝を受け取る夢は、大切な願いが届きやすくなっていることや、見えない力に支えられているという安心感を表す、縁起のよい夢と読むことができます。

受け取ったときに、背筋が伸びるような気持ちがしたなら、自分の決意をあらためて確かめる時期なのかもしれません。

願いを一つ言葉にして、身近な神社にお参りしてみるのもよいでしょう。

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