あなたは「記憶違い」「思い違い」など自分が思っていた事とは違う事を記憶していて恥ずかしい思いをしたり、失敗してしまったりということはありませんか?
例えば、
好きなアイドルの〇〇が所属しているグループはAだった、と思っていたら実は同じ系列のBに所属していてAには参加したこともなかった……
よく聞くあのアーティストは色々な曲をカバーしているけど、あの楽曲はカバーしていなかったと思っていたら、実はすでにカバーをしていた……
などなど、このように人間は勝手気ままに、自分勝手に記憶を作り信じこんでしまうということはすでに研究で明らかになっていまが、それがどのようにして作られてくるのかは解明されていませんでした。
しかし、近年イギリスのニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンのマーティン・J・チャドウィック博士たちの研究チームによって、間違った記憶が脳でどのように創作されるのかが調査されました。
実験と結果
チャドウィック博士は単語を記憶するテストで「ice(氷)」「snow(雪)」「wind(風)」などの寒さに関連のある単語ばかりを出題すると、単語リストには挙げていなかった「cold(寒い)」という寒さに関連性のある単語が問題にあったと被験者が思い違いをする傾向があることを利用することにしました。
博士たちは、関連性のある単語を記憶したと勘違いしている時の被験者の脳をfMRIで観察を行うことにしたのです。すると、勘違いををしている状況下では、リストに挙がっている他の単語を思い返す時に活性化している脳領域と多く重なり合っていることがわかったのです。
さらに、すべての被験者で、誤ったの記憶を思い出している時に、それと関連する記憶と同じ部分の脳領域が活性化していました。
つまり、何かを記憶して思い出す時には関連しているものの同時に思い出しちゃう可能性があるってことね。
アイドルの所属グループを間違えちゃうのも、自分が持っているアイドルの関連情報が多かったりするとたくさん出てくることになるから間違った記憶も生まれやすくなりそうよね
この実験では、すべての被験者が誤った記憶を思い出している時に、それと関連する記憶部分と同じ脳領域が活性化していたんだけど、各被験者で活性化している部位は異なっていたそうよ。
つまり、記憶の引き出し方は関連付けが関係しているけど、記憶を仕舞って置く場所はそれぞれ違いがあるってことね。
結論
これらの結果からチャドウィック博士たちは、記憶に誤りが生まれる過程には他の関連する記憶が関係していると結論づけており、脳は異なる事実を関連させることで、大量の物事を効率的に記憶をしているのではないかと考えたそうです。
確かにバラバラに色々なものを覚えているよりも、何かに関係している、と考えた方が記憶って引き出しやすいし、覚えるのもスムーズよね。
よくある記憶術なんかは、一つ一つの物事に関連性をつけて覚えていったりするけど、これはまさに脳の理にかなったやりかっただったのね。
Semantic representations in the temporal pole predict false memories
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.1610686113
False memories arise because the brain codes similar ideas similarly | Ars Technica
http://arstechnica.com/science/2016/08/false-memories-arise-because-the-brain-codes-similar-ideas-similarly/
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