
彼氏の夢が持つ基本的な意味については、こちらの夢占い記事で解説しています。
この記事では、なぜ恋人が、夢の中で「安心」と「不安」のどちらの姿でも現れるのかを、二人の心が近づいていく仕組みを見つめた二つの研究と、日本の恋人たちが、離れていても心を通わせようとしてきた歴史から、掘り下げてみます。
心の内側を見せ合うと、近づく二人
一つ目の視点は、アメリカの心理学者アーサー・アロンらです。アロンらは1997年、初対面の二人に、少しずつ踏みこんだ質問をし合ってもらう実験を行いました。
はじめは「有名になりたいと思いますか」といった気軽な質問から始まり、やがて「人生でいちばん感謝していることは何ですか」といった、心の内側に触れる質問へと進んでいきます。
すると、わずか45分ほどのやりとりのあとで、二人は、互いに強い親しみを感じるようになっていたのです。
人と人との距離は、時間の長さだけでなく、心の内側を少しずつ見せ合うことで縮まっていくことが示されました。
喜びを分かち合うと、深まる絆
二つ目の視点は、アメリカの心理学者シェリー・ゲーブルらです。ゲーブルらは2004年、恋人どうしが、相手のうれしい出来事を聞いたときの反応に注目しました。
そして、「それはすごいね、どんなふうだったの」と、相手の喜びに関心を持って一緒に喜ぶ反応が多い二人ほど、関係への満足度や信頼が高いことを報告しています。
つらいときに支え合うことと同じくらい、うれしいときに喜び合うことが、二人の絆を育てていたのです。
アロンらが「弱さや本音を見せ合うことで近づく心」に目を向けたのに対して、ゲーブルらは「喜びを分かち合うことで深まる絆」に目を向けたといえるでしょう。
本音を打ち明ける夢、笑い合う夢
彼氏の夢で、彼に悩みを打ち明けたり、彼の涙を見たりしていたなら、あなたの心は、もっと深いところで分かり合いたいと願っているのかもしれません。
彼と一緒に笑い合っていたなら、うれしいことを真っ先に伝えたい相手として、彼の存在が心の中心にあることを表しているのかもしれません。
では、日本の恋人たちは、どのように心を通わせてきたのでしょうか。
夜明けに届く「後朝の文」
平安時代の貴族の恋は、男性が夜に女性のもとを訪ね、夜明け前に帰っていく「通い婚」が一般的でした。
そして、男性は、家に帰るとすぐに、女性へ和歌を添えた手紙を送るのが習わしでした。この手紙は、二人が重ねていた衣をそれぞれに着て別れる朝にちなんで「後朝の文(きぬぎぬのふみ)」と呼ばれています。
手紙が届くのが早いほど、思いが深いしるしとされ、遅れると、女性はひどく心を痛めたといいます。
いま、恋人からのメッセージの返信を待ちわびる気持ちは、千年前の恋人たちも、同じように抱えていたのです。
夢の通い路と、恋しい人
会えない夜には、夢が、二人をつなぐ場所でもありました。平安の人々は、恋しい人が夢に現れるのは、相手が自分を思ってくれているからだと考える一方で、自分の思いが強ければ、相手の夢を訪ねていけるとも信じていました。夢は、ままならない恋を、そっと支える通い路だったのです。
百人一首にも選ばれている藤原敏行の歌「住の江の岸による波よるさへや 夢の通ひ路人目よくらむ」は、そんな恋心を詠んだものです。
昼間は人目を避けるのも仕方がない。けれど、夜の夢の通い路でさえ、あなたは人目を気にして、会いに来てくれないのでしょうか。夢にさえ現れてくれない恋人を思う切なさは、いまも多くの人の胸に響きます。
「彼氏」という言葉のはじまり
ちなみに、恋人の男性を指す「彼氏」という言葉は、意外にも新しく、昭和のはじめ、活動写真の弁士で、のちに随筆家としても知られた徳川夢声が使いはじめたのが、広まるきっかけとされています。「彼」に、親しみをこめて「氏」をつけた、ちょっとしゃれた言い方だったのです。
本音を見せ合うことで近づく心と、喜びを分かち合うことで深まる絆。夜明けの後朝の文と、恋人たちをつないだ夢の通い路。彼氏の夢は、あなたがいま、彼とどんな言葉を交わし、どんな喜びを分かち合いたいと願っているのかを、そっと問いかけているのかもしれません。
ここまでの内容をもとにした、恋愛を描いた創作ストーリーは、こちらの夢物語でお楽しみいただけます。
よくある質問
彼氏の夢で、彼に何かを打ち明けていました。
彼に何かを打ち明ける夢は、二人の関係を、もっと深いところで分かち合いたいという願いの表れと読むことができます。
アロンらの研究が示すように、人の心は、本音を少しずつ見せ合うことで近づいていくものです。夢の中で打ち明けていた内容を覚えているなら、それが、いまのあなたが彼に知ってほしいと感じていることなのかもしれません。
無理のない範囲で、少しずつ言葉にしてみてください。
夢の中で、彼と一緒に何かを喜んでいました。
彼と一緒に喜び合う夢は、二人の関係が温かく育っていることを示す、明るい夢と読むことができます。
ゲーブルらの研究が示すように、うれしいことを分かち合える関係は、信頼が深い関係でもあります。
現実でも、彼のうれしい知らせには、いつもより少し大げさなくらいに関心を持って喜んでみてください。
その一言が、二人の絆をさらに強くしてくれるはずです。

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