
選ぶ夢は、主に、人生の中で何かを決めなければならない時期が近づいていることや、あなたが本当に望んでいるものを確かめようとしている心の動きを象徴するとされています。
服を選ぶ、プレゼントを選ぶ、二つの道のどちらかを選ぶ。夢の中で手に取ったもの、そして迷っていた時間の長さには、いまのあなたの心の状態がよく表れます。
ショーケースのガラスに映る自分の顔、指先が品物に触れる直前のためらい。何を選び、選んだあとにどんな気持ちになったのかを手がかりに、夢の意味を読み解いていきましょう。
選ぶ夢の主な意味
- 進路や人間関係など、大切な決断の時期が近づいているサイン
- 自分が本当に望んでいるものを確かめたい気持ち
- すんなり選べる夢は、判断力が冴えている吉兆
- 迷って選べない夢は、選択肢の多さや自信のなさへの戸惑い
- 選んだあとに後悔する夢は、慎重さを促すメッセージ
基本の意味
選ぶという行為は、たくさんの可能性の中から一つを手に取り、残りを手放すことでもあります。そのため夢の中で何かを選ぶことは、現実で決断を迫られている状況や、これからの方向を自分で決めようとしている心の動きを象徴するとされます。
迷わずに選べていたなら、自分の望みがはっきりしていて、判断力が冴えている時期を示す吉夢です。
反対に、いつまでも迷っていたり、選んだものに満足できなかったりしたなら、何かを決めることへの不安や、周りの期待と自分の本音のあいだで揺れていることを映しています。
夢の中で何を選ぼうとしていたかは、いまのあなたが心の中で大切にしているテーマを教えてくれるでしょう。
心理学的見解
アメリカの心理学者シーナ・アイエンガーとマーク・レッパーは、スーパーの試食コーナーで、ジャムを二十四種類並べた場合と、六種類だけ並べた場合を比べる実験を行いました。
二十四種類のほうが多くの人が足を止めたのに、実際に買った人の割合は、六種類のときのほうがずっと高かったのです。
選択肢が多すぎると、人はかえって選べなくなり、選んだあとの満足度も下がりやすい。この研究は、選ぶことの難しさをはっきりと示しました。
現代的な夢の見方に立てば、選ぶ夢で迷い続けていたなら、それは、現実で抱えている選択肢が多すぎて、心が少し疲れていることを映しているのかもしれません。
ちなみに日本では古くから、人の力では決めがたいことを、くじによって神さまの意思に委ねる習わしがありました。
室町幕府の六代将軍・足利義教は、跡継ぎが決まらなかったとき、石清水八幡宮の神前で引かれたくじによって選ばれたことから、「くじ引き将軍」とも呼ばれています。
選ぶことの重さに迷ったとき、人はその決断を、自分を超えた大きな力に託してきたのです。
状況別の意味
服を選ぶ
お店やクローゼットの前で服を選ぶ夢は、周りにどんな自分を見せたいか、どんな自分になりたいかを考えていることを表しています。
進路や働き方など、自分の在り方に関わる決断の時期が近づいているのかもしれません。楽しく選べていたなら、新しい自分を受け入れる準備ができている証拠です。
迷っていたなら、周りの目を気にしすぎていないかを振り返り、自分が心地よいと感じるものを大切にしてみてください。
プレゼントを選ぶ
誰かへのプレゼントを選ぶ夢は、その人との関係を深めたい、喜ばせたいという思いやりの気持ちの表れです。
同時に、相手にどう思われるかを気にしている気持ちが隠れていることもあります。わくわくしながら選べていたなら、人間関係が温かく育っていく吉兆です。
何を贈ればいいか迷っていたなら、相手の本当の気持ちがつかめずにいるのかもしれません。直接、好きなものをたずねてみるのもよいでしょう。
お土産を選ぶ
旅先などでお土産を選ぶ夢は、身近な人とのつながりを大切にしたい気持ちや、離れている人を思う心を表しています。
誰に何を渡そうかと考えていたなら、あなたの中で、感謝を伝えたい相手がはっきりしてきているのでしょう。
選びきれないほどたくさん買っていたなら、周りに気を配りすぎて疲れているサインとも読めます。
感謝の気持ちは、品物より言葉で伝えるだけでも十分に届きます。
食べ物を選ぶ
ケーキやパンなど、食べ物を選ぶ夢は、心や体が満たされたいと感じていることや、自分へのご褒美を求めている気持ちを表しています。
迷わずに好きなものを選べていたなら、自分の欲求を素直に受け止められている状態です。いくつも目移りして決められなかったなら、本当に欲しいものがわからなくなっているのかもしれません。
今日は何が食べたいかを、自分の体にたずねるような気持ちで選んでみてください。
靴やバッグを選ぶ
靴やバッグを選ぶ夢は、これから進む道や、自分の役割、持ち運ぶ責任について考えていることを示しています。
靴は歩んでいく方向を、バッグは抱えているものを象徴するとされます。しっくりくるものが見つかったなら、進む方向が定まっていく吉兆です。
どれもしっくりこなかったなら、いまの環境や役割に、どこか違和感を抱えているのかもしれません。
何が合わないのかを、言葉にしてみましょう。
二つのうちどちらかを選ぶ
二つのもののどちらかを選ばなければならない夢は、現実でも、二者択一の決断を迫られていることを表しています。
仕事と家庭、今の環境と新しい挑戦など、どちらも大切で決めかねているのでしょう。夢の中でどちらを選んだかは、あなたの本音に近い答えである場合があります。
選んだときにほっとしたなら、その答えを大切に。迷いが残ったなら、もう少し情報を集めてから決めても遅くはありません。
分かれ道で進む道を選ぶ
分かれ道に立って、どちらの道を進むか選ぶ夢は、人生の転機を迎えていることを示しています。進学や就職、引っ越し、人間関係の変化など、これからの方向を決める大切な時期なのでしょう。
迷わず一方を選べていたなら、心の中ではもう答えが出ているのかもしれません。立ち止まって迷っていたなら、焦る必要はありません。
それぞれの道の先に何があるのかを、少しずつ思い描いてみてください。
恋人やパートナーを選ぶ
二人以上の相手の中から、恋人やパートナーを選ぶ夢は、恋愛で大切にしたいものが何なのかを、心が確かめようとしていることを表しています。
安心感なのか、刺激なのか、価値観の近さなのか。選んだ相手に共通する特徴が、あなたの理想を教えてくれます。
実際に二人の間で迷っているなら、比べるより、それぞれといるときの自分の表情を思い出してみると、答えが見えやすくなるでしょう。
仕事や進路を選ぶ
求人票や学校の案内などを前に、仕事や進路を選んでいる夢は、将来への関心が高まり、自分の可能性を広げたいと感じていることを示しています。
前向きな気持ちで選んでいたなら、新しい挑戦が実を結びやすい時期です。不安や焦りが強かったなら、周りに遅れまいと急いでいるのかもしれません。
条件だけでなく、自分が何をしているときにいちばん生き生きできるかを、判断の軸に加えてみてください。
たくさんの中から一つを選ぶ
数えきれないほどの品物の中から一つを選ぶ夢は、可能性が豊かに広がっている一方で、選択肢の多さに戸惑っている状態を映しています。
ジャムの実験のように、選べるものが多いほど、人は決めるのが難しくなるものです。一つを選びとれていたなら、自分の軸がしっかりしている証拠です。
迷い続けていたなら、まず「選ばないもの」を減らすことから始めると、心が軽くなります。
迷ってなかなか選べない
いつまでも迷って、結局何も選べない夢は、決断することへの不安や、失敗を恐れる気持ちが強くなっていることを表しています。
どれを選んでも何かを失うような気がして、動けずにいるのかもしれません。完璧な選択を探すあまり、時間ばかりが過ぎていないでしょうか。
小さなことから自分で決める練習をしてみると、決める力が少しずつ戻ってきます。今日の昼食から、迷わず選んでみてはいかがでしょう。
選んだものを後悔する
選んだあとで「こっちじゃなかった」と後悔する夢は、最近の決断に自信が持てずにいることや、選ばなかったほうへの未練を表しています。
一方で、夢占いでは、慎重に考えることの大切さを知らせる注意の夢とも読めます。後悔の気持ちは、あなたが本当に大切にしたいものを教えてくれる手がかりでもあります。
次に何かを選ぶとき、その気持ちを判断の材料として、丁寧に活かしてみてください。
誰かに選んでもらう
自分で選ばずに、誰かに選んでもらう夢は、決断の責任を一人で背負うことに疲れていることや、頼れる人を求めている気持ちを表しています。
信頼できる相手に任せて安心していたなら、人との協力がうまくいく時期です。反対に、選ばれたものに不満があったなら、周りに合わせすぎて、自分の望みを後回しにしているのかもしれません。
小さなことからでも、自分の希望を伝える練習をしてみましょう。
くじを引いて選ぶ
くじを引いて選ぶ夢は、運に身を任せたい気持ちや、自分では決められない状況を、流れに委ねようとしていることを表しています。
あたりを引いて喜んでいたなら、思いがけない幸運が舞いこむ吉兆です。はずれて落ちこんでいたなら、自分の力では動かせないことに、心をとらわれすぎているのかもしれません。
運に任せる部分と、自分で決める部分を分けて考えると、気持ちが整理しやすくなります。
色を選ぶ
絵の具や布、服の色など、何かの色を選ぶ夢は、いまの気分や、これから人生をどう彩りたいかという思いを表しています。
明るい色を選んでいたなら、前向きなエネルギーが高まっている時期です。落ち着いた色を選んでいたなら、心が安らぎを求めているのでしょう。
選んだ色を、実際に身の回りの小物や服に取り入れてみると、夢からのメッセージを、日々の暮らしの中で受け取りやすくなります。
まとめ
選ぶ夢は、何かを決めなければならない時期の訪れと、あなたが本当に望んでいるものを、同時に映し出す夢です。
すんなり選べる夢は、自分の軸がはっきりしている明るいサイン。迷う夢や、選べない夢、後悔する夢は、選択肢の多さや決断の重さに、心が少し疲れていることを知らせています。
夢の中で最後に手に取ったものを、ひとつだけ思い出してみてください。それが、いまのあなたが心の奥で選びたがっている答えに、いちばん近いものなのかもしれません。
日々の買い物の場面については、買い物の夢もあわせて読んでみてください。
この夢をもとにした、SF仕立ての創作ストーリーはこちらの夢物語でお楽しみいただけます。
シュワルツの『選択のパラドックス』やアイエンガーの研究、「ビュリダンのロバ」、くじ引き将軍やおみくじの由来をもっと深く知りたい方は、こちらの夢ことほぎ記事もご覧ください。
よくある質問
選ぶ夢で、何を選んだのか覚えていない場合は?
何を選んだのか覚えていなくても、選んでいるときの気持ちは、大切な手がかりになります。楽しく選んでいたなら前向きな決断の時期を、迷って苦しかったなら決めることへの不安を映していると読むことができます。
また、選んだ物より、選ぶ場面の雰囲気、たとえばお店の明るさや、そばに誰がいたかが印象に残っている場合もあります。
思い出せることを、断片だけでも書き留めておくとよいでしょう。
夢の中で選んだものを、現実でも選んだほうがいいのでしょうか?
夢の中の選択は、あなたの本音に近い答えを映していることがありますが、それがそのまま正解というわけではありません。
夢はあくまで、心が何に惹かれているのかを知るための手がかりです。夢で選んだものに、なぜ惹かれたのかを考えてみると、自分が大切にしている価値観が見えてきます。
その気づきを持って、現実の状況や条件と照らし合わせながら、最終的な判断をしてみてください。

