【夢ことほぎ】遠足の夢の心理学的意味|由来・背景

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【夢ことほぎ】遠足の夢の心理学的意味|由来・背景

遠足の夢が持つ基本的な意味については、こちらの夢占い記事で解説しています。

この記事では、なぜ遠足が、大人になってからも夢の中で、わくわくする気持ちや懐かしさとともに現れるのかを、「出かける前」と「歩いているあいだ」の心の動きを見つめた研究と、遠足という行事がたどってきた歴史から、掘り下げてみます。

いちばん幸せなのは、出発の前

一つ目の視点は、オランダの研究者ジェローン・ナワインらの研究です。ナワインらは、オランダの大人およそ1,500人を対象に、旅行の前と後で、人の幸せの感じ方がどう変わるのかを調べ、2010年に発表しました。

その結果、旅行を控えている人は、旅行の予定がない人よりも、出発前から幸福感が高いことが分かりました。

ところが、旅行から帰ってくると、その差はほとんど見られなくなっていたのです。人の心を最も明るくしていたのは、旅そのものより、むしろ「楽しみに待つ時間」だったのかもしれません。

遠足の前の晩、なかなか寝つけなかったあの胸の高鳴りには、ちゃんとした理由があったのです。

自然の中で回復する注意の力

二つ目の視点は、アメリカの環境心理学者レイチェル・カプランとスティーブン・カプランの夫妻です。

カプラン夫妻は、仕事や勉強で一つのことに集中し続けると、注意を向ける力がすり減っていくと考えました。

そして、木々の緑や流れる雲、鳥の声のように、無理なく心を引きつける自然の中に身を置くと、その力が回復していくと唱えました。

これは「注意回復理論」と呼ばれています。2008年にアメリカで行われた研究でも、木々の多い公園を散歩した人は、街の中を歩いた人よりも、そのあとの集中力のテストの成績がよくなったことが報告されています。

ナワインらが「出かける前の、待つ時間の喜び」に目を向けたのに対して、カプラン夫妻は「外を歩くことそのものが持つ、心を癒やす力」に目を向けたといえるでしょう。

出発前のわくわく、野山を歩く場面

遠足の夢で、出発の前の準備にわくわくしていたなら、あなたの心は、楽しみに待てる何かを求めているのかもしれません。

野山を歩く場面が印象に残っていたなら、毎日の忙しさの中で、心が深呼吸できる時間を必要としているのかもしれません。

では、遠足という行事は、どのように生まれ、育ってきたのでしょうか。

行軍から始まった日本の遠足

日本の遠足の始まりの一つとされるのが、1886年に東京師範学校が行った「長途遠足」です。生徒たちは、銃を担いで隊列を組み、千葉方面へ十日あまりをかけて歩きました。

当初は、体を鍛える行軍の性格が強いものでしたが、道中で土地の産業や自然を学ぶ機会も設けられ、やがて「修学旅行」へとつながっていきます。

そして、近場へ日帰りで出かける遠足は、全国の学校に広まり、子どもたちの楽しみな行事として根づいていきました。

「おやつは三百円まで」「バナナはおやつに入りますか」といったやりとりが、世代を超えて語り継がれているのも、遠足が多くの人にとって、心に残る特別な一日だったからでしょう。

ワンダーフォーゲルとユースホステル

ドイツでは、1901年、ベルリン近郊の若者たちが、町を離れて野山を歩き、歌い、焚き火を囲む「ワンダーフォーゲル」の活動を始めました。

その流れの中で、教師のリヒャルト・シルマンは、生徒たちを連れて歩く遠出の途中、嵐に遭い、近くの学校に泊めてもらったことをきっかけに、若者が安く泊まれる宿をつくろうと考えます。

こうして生まれたのが、のちに世界中に広がる「ユースホステル」でした。歩いて出かけることは、国を越えて、若者の心を育てる大切な体験とされてきたのです。

待つ時間の胸の高鳴りと、外を歩くことで回復していく心。行軍から始まり、子どもたちの楽しみへと育っていった遠足と、海の向こうで若者たちが歩いた野山の道。

遠足の夢は、あなたがいま、心から楽しみに待てるものを持てているかどうか、そして、少し外の空気を吸いに出かけてみてはどうかと、そっと問いかけているのかもしれません。

ここまでの内容をもとにした、夢の意味をたどる創作ストーリーは、こちらの夢物語でお楽しみいただけます。

よくある質問

遠足の前の晩のように、わくわくして眠れない夢を見ました。

遠足の前の晩の夢は、いまのあなたが、何かを楽しみに待つ気持ちを求めていることの表れと読むことができます。

ナワインらの研究が示すように、人は、出来事そのものより、それを待つ時間に幸せを感じやすいものです。

週末の小さな予定や、行ってみたいお店など、ささやかでも楽しみに待てるものを一つ用意してみてください。

毎日の景色が、少し明るく見えてくるはずです。

遠足の夢の中で、ずっと歩き続けていました。

遠足でひたすら歩き続ける夢は、心が、日々の緊張から離れて、ゆっくりと整う時間を求めていることを表していると読むことができます。

カプラン夫妻の注意回復理論のように、外を歩くことには、すり減った集中力や気持ちを回復させる力があります。

近くの公園や川沿いの道を、目的を決めずに歩いてみてください。夢の中の歩みが、現実の心の軽さにつながっていきます。

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