
夢の中で、ひざの上の子猫が、喉をごろごろと鳴らしている。やわらかな毛並みをそっとなでるたびに、手のひらから、温かなものが胸の奥まで広がっていく。
かわいがる夢は、夢占いでは、あなたの中に、誰かを大切にしたい、守りたいという愛情や優しさがあふれていることを表すとされています。
同時に、自分自身も、誰かにこんなふうに大切にされたいという、満たされたい気持ちの表れでもあります。
夢の中で、何を、どんなふうにかわいがっていたのか。相手は素直に甘えてくれたのか、それとも嫌がったのか。
その様子を手がかりに、意味を読み解いていきましょう。
かわいがる夢の主な意味
- 誰かを大切にしたい、守りたいという愛情の高まり
- 自分も愛され、大切にされたいという気持ち
- 人間関係や家庭運が、温かく満たされていくこと
- 相手が喜んで甘えてくる夢は、対人運や恋愛運が上向く吉兆
- かわいがっても嫌がられる夢は、思いが空回りしていることへの注意
基本の意味
かわいがるという行為は、相手を思いやり、その存在をいとおしむ気持ちから生まれます。夢の中で何かをかわいがっているのは、あなたの心が、愛情を注ぐ相手や、優しさを向ける場所を求めていることの表れです。
人を思いやる余裕が生まれ、心が満ちている時期にも、この夢を見ることがあります。かわいがった相手が、うれしそうに応えてくれていたなら、あなたの愛情がまっすぐに届き、人間関係が温かく深まっていく吉夢。
反対に、相手に嫌がられたり、逃げられたりしていたなら、相手のためと思ってしていることが、押しつけになっていないかを見直すよう促しています。
また、かわいがる相手が、あなた自身の幼いころの姿を映している場合もあります。
心理学的見解
日本の研究者である麻布大学の永澤美保らは、2015年、犬と飼い主が見つめ合ったときの体の変化を調べ、その結果を、科学誌『サイエンス』に発表しました。
犬と飼い主が長く見つめ合うと、飼い主の体内では、人と人との絆に関わるとされる「オキシトシン」というホルモンが増え、さらに、犬の側でも同じように増えていたのです。
見つめ合うことで、お互いの愛情が高まり、それがまた見つめ合うきっかけになる。人と犬のあいだには、親子のような心の絆の仕組みが働いていると考えられています。
現代的な夢の見方に立てば、かわいがる夢は、愛情を注ぎ、また注がれることで、心が温かく満たされたいという願いが、何かをいとおしむ姿を借りて現れたものと読むことができます。
ちなみに平安時代の物語集『堤中納言物語』には、「虫めづる姫君」という一編があります。
ほかの姫君たちが花や蝶をめでるなか、この姫君は、毛虫を大切に育て、「人々が花や蝶ばかりをもてはやすのはおかしい。物事は、その本質を見てこそ」と語ったといいます。
見た目の愛らしさだけでなく、そのものの本当の姿をいとおしむ。かわいがる心のかたちは、昔から一つではなかったのです。
状況別の意味
猫をかわいがる
猫をなでたり、抱っこしたりしてかわいがる夢は、心が穏やかに満たされていることや、自由で気ままな時間を求めていることを表しています。
猫が喉を鳴らして甘えていたなら、人間関係が円満で、周りの人から好かれている吉兆です。一方で、気まぐれな相手に振り回されている場合もあります。
猫の夢もあわせて読んでみてください。ほどよい距離感も大切です。
犬をかわいがる
犬をかわいがる夢は、信頼できる仲間や、心から分かり合える友情を大切に思う気持ちを表しています。
犬が尻尾を振って喜んでいたなら、周りの人との絆が深まり、困ったときに助けてもらえる吉兆です。
永澤らの研究のように、見つめ合う時間が、絆を育てていきます。犬の夢も参考に、身近な人との時間を大切にしてみてください。
その絆は、あなたの宝物です。
小鳥をかわいがる
手のひらに乗った小鳥をかわいがる夢は、うれしい知らせや、小さな幸せが舞いこんでくることを示す吉夢です。
小鳥のさえずりのように、明るい言葉や、心がはずむ出来事が増えていく時期なのでしょう。小鳥がすぐに飛び立ってしまったなら、チャンスは手早くつかむようにという合図です。
気になることは、先延ばしにせずに動いてみてください。幸運の芽を育てましょう。
蛇をかわいがる
怖いはずの蛇を、なでたり首に巻いたりしてかわいがる夢は、金運や生命力が高まっていることを示す吉夢です。
蛇は、昔から財運や再生の象徴とされてきました。また、苦手だったことや、人から理解されにくい自分の一面を、受け入れられるようになってきたことの表れでもあります。
虫めづる姫君のように、物事の本質を見る目が、あなたの中で育っているのでしょう。
熊をかわいがる
大きな熊を、ぬいぐるみのようにかわいがる夢は、力強いものを味方につけ、困難を乗り越えていけることを示しています。
目上の人や、手ごわいと感じていた相手と、思いがけず打ち解けられる暗示でもあります。ただ、熊が急に暴れだしたなら、油断は禁物という合図です。
相手の力を頼りにしつつも、自分の足で立つことを忘れないでください。頼る力と立つ力の両方を育てましょう。
子馬をかわいがる
生まれたばかりの子馬をかわいがる夢は、新しく始めたことや、育てはじめた計画が、これから大きく成長していくことを示す吉夢です。
仕事や学びが、少しずつ軌道に乗っていく時期なのでしょう。子馬がよろよろと立ち上がろうとしていたなら、焦らず見守ることが大切です。
小さな成長を喜びながら、根気よく育てていってください。その歩みは、やがて力強い走りになります。
象をかわいがる
大きな象をかわいがる夢は、家族や家庭の結びつきが強まり、心の安定が得られることを示しています。
象は、群れの仲間を大切にし、長く記憶を保つ動物としても知られています。象が鼻を差し出して甘えてきたなら、家族や古くからの友人との絆が、いっそう深まる暗示です。
久しぶりに連絡をとってみるのもよいでしょう。懐かしい声が、心を温めてくれます。ゆったりとした時間を楽しんでください。
赤ちゃんをかわいがる
赤ちゃんを抱っこしたり、あやしたりしてかわいがる夢は、新しい希望や、心の中で育ちつつある可能性を示す吉夢です。
新しい計画やアイデアが、これから形になっていく時期なのでしょう。また、あなたの中に、誰かを守り育てたいという母性や父性が高まっていることの表れでもあります。
赤ちゃんの夢も参考にしてください。新しい芽を、やさしく見守ってください。
よその子どもをかわいがる
知らない子どもや、親戚の子どもをかわいがる夢は、あなたの面倒見のよさや、人を育てる力が高まっていることを表しています。
周りから頼りにされ、後輩や年下の人を導く役割がめぐってくるのかもしれません。また、子どもの姿に、あなた自身の幼いころの気持ちが重なっている場合もあります。
自分の中の素直な心も、大切にしてあげてください。
ぬいぐるみをかわいがる
ぬいぐるみを抱きしめたり、話しかけたりしてかわいがる夢は、心が疲れていて、安心感やぬくもりを求めていることを表しています。
誰かに甘えたいのに、素直に甘えられずにいるのかもしれません。ぬいぐるみは、黙って気持ちを受け止めてくれる存在です。
この夢を見たら、無理をせず、自分をいたわる時間を、意識してつくってみてください。心のぬくもりが、少しずつ戻ってきます。
人形をかわいがる
人形の髪をとかしたり、服を着せ替えたりしてかわいがる夢は、自分の思いどおりになる関係や、理想の自分を思い描いていることを表しています。
現実の人間関係で、思うようにいかないもどかしさを感じているのかもしれません。人形遊びのように、自分の理想を、少しずつ現実の装いや暮らしに取り入れてみると、気持ちが前向きに整っていきます。
後輩や部下をかわいがる
職場の後輩や部下をかわいがる夢は、人を育てる喜びや、リーダーとしての自覚が高まっていることを示しています。
周りからの信頼が厚くなり、仕事でも人間関係でも、頼られる場面が増えていくでしょう。ただ、かわいがりすぎて、相手の成長の機会を奪っていないかにも気を配ってください。
見守ることも、大切な愛情のかたちです。その姿勢が、人を大きく育てます。
かわいがっても嫌がられる
かわいがろうとしたのに、相手に嫌がられたり、逃げられたりする夢は、あなたの愛情や好意が、相手にうまく伝わっていないもどかしさを表しています。
よかれと思ってしていることが、押しつけになっているのかもしれません。相手が本当に求めていることは何なのかを、一度立ち止まって、相手の目線で考えてみてください。
相手の歩幅に合わせることも、愛情です。
かわいがっていたペットがいなくなる
かわいがっていたペットが、どこかへいなくなってしまう夢は、大切なものを失うことへの不安や、心の拠り所が揺らいでいることを表しています。
最近、身近な人との関係に、寂しさを感じることがあったのかもしれません。動物を飼う夢もあわせて読みながら、そばにある大切なものを、あらためて見つめてみてください。
思い出は、心の中でずっと生き続けます。
自分が誰かにかわいがられる
自分が誰かにかわいがられ、大切にされる夢は、愛情に満たされたい、甘えたいという気持ちが高まっていることを表しています。
頑張りすぎて、心が少し疲れているのかもしれません。かわいがってくれた人が知っている人なら、その人との関係が温かく深まっていく暗示です。
素直に甘えることを、自分に許してあげてください。甘えることは、弱さではありません。
まとめ
かわいがる夢は、誰かを大切にしたい、守りたいという愛情や、自分も満たされたいという気持ちを映し出す夢です。
動物や赤ちゃんが喜んで甘えてくる夢は、あなたの優しさがまっすぐに届き、人間関係が温かく深まっていく明るいサイン。
かわいがっても嫌がられる夢や、ペットがいなくなる夢は、愛情の伝え方を見直すことや、心の拠り所を大切にすることを、そっと知らせてくれています。
夢の中で、あなたがいとおしんでいたものを、ひとつだけ思い出してみてください。それが、いまのあなたが本当に大切にしたいものを、教えてくれるはずです。
この夢をもとにした、ご近所ミステリー仕立ての創作ストーリーはこちらの夢物語でお楽しみいただけます。
ハーロウの「布の母親」の実験やダンらの「与える喜び」の研究、『源氏物語』の雀の子や招き猫の言い伝えをもっと深く知りたい方は、こちらの夢ことほぎ記事もご覧ください。
よくある質問
かわいがる夢を見たあと、心がとても温かくなっていました。
かわいがる夢のあとに心が温かくなっていたなら、あなたの中に、人を思いやる余裕と優しさが、しっかり育っていることの表れと読むことができます。
永澤らの研究が示すように、愛情を注ぐことは、注いだ側の心も満たしてくれるものです。その温かさを、身近な人への小さな気づかいや、やさしい言葉として、現実の毎日にも少しずつ広げてみてください。
夢の中で、昔飼っていたペットをかわいがっていました。
昔飼っていたペットをかわいがる夢は、そのペットと過ごした温かい時間や、守られていた安心感を、心が懐かしんでいることの表れと読むことができます。
いまの毎日が忙しく、心のぬくもりが足りないと感じているのかもしれません。そのペットが教えてくれた、無条件に愛し、愛されることの喜びを思い出しながら、自分をいたわる時間を持ってみてください。

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