
観葉植物の夢が持つ基本的な意味については、こちらの夢占い記事で解説しています。
この記事では、なぜ部屋の中の小さな緑が、夢の中で、心の癒やしや暮らしの豊かさを映すのかを、植物がそばにあることが人の心にもたらす力を見つめた二つの視点と、人々が植物を暮らしの中に迎え入れてきた歴史から、掘り下げてみます。
窓のない部屋に置かれた緑の力
一つ目の視点は、アメリカの研究者ヴァージニア・ローアらです。ローアらは1996年、窓のないコンピューター室に、観葉植物を置いた場合と置かない場合とで、そこで作業をする人たちの様子を比べました。
すると、植物が置かれた部屋で作業した人たちは、画面に現れる合図への反応がおよそ一割速くなり、作業のあとの血圧の上がり方も、おだやかだったと報告されています。
また、植物のある部屋のほうが、より集中できたと感じていたのです。部屋の片隅にある緑が、人の心と体を、そっと支えていたのかもしれません。
生き物とつながりたい心「バイオフィリア」
二つ目の視点は、アメリカの生物学者エドワード・オズボーン・ウィルソンです。
ウィルソンは1984年、人間には、生き物や自然とつながりたいと願う気持ちが、生まれつき備わっていると考え、これを「バイオフィリア」、つまり「生命を愛する心」と呼びました。
人類は、その歴史のほとんどを、森や草原の中で過ごしてきました。だからこそ、コンクリートに囲まれた暮らしの中でも、私たちは、緑を見るとほっとし、植物を育てることに、喜びを感じるのだというのです。
ローアらが「そばにある緑が、心と体を支える力」に目を向けたのに対して、ウィルソンは「人がもともと持っている、生き物とつながりたいと願う心」に目を向けたといえるでしょう。
緑に癒やされる夢、育てる夢
観葉植物の夢で、緑に囲まれて心地よかったなら、あなたの心は、いま、自然とのつながりや安らぎを求めているのかもしれません。
植物を大切に育てていたなら、何かを慈しみ、育てたいという気持ちが、あなたの中で育っているのかもしれません。
では、人々は、植物をどのように暮らしの中へ迎え入れてきたのでしょうか。
ウォードの箱と「シダ狂い」
十九世紀のイギリスで、ナサニエル・ウォードという医師が、ある発見をしました。ふたをしたガラス瓶の中で、シダの芽が、水をやらなくても元気に育ち続けていたのです。
ウォードは、この仕組みを生かして、ガラスの箱を考え出しました。この「ウォードの箱」によって、生きた植物を、何か月もかかる船旅で運べるようになり、中国の茶の木がインドへ運ばれるなど、世界中の植物が海を越えて行き交うようになりました。
イギリスでは、シダを集めて部屋で育てることが大流行し、この熱狂は「シダ狂い」とまで呼ばれました。
江戸の万年青と変化朝顔
日本でも、江戸時代には、園芸が人々の大きな楽しみでした。なかでも、いつも青々とした葉を保つ「万年青(おもと)」は、縁起のよい植物として大切にされ、徳川家康が江戸城に移るときにも、真っ先に万年青を運びこませたという言い伝えがあります。
また、花や葉の形が思いがけない姿に変わる「変化朝顔」も大流行し、珍しい品種は、驚くほどの高値で取引されたといいます。
いまでは、観葉植物には、「金のなる木」や「幸福の木」といった、縁起のよい呼び名がつけられ、新築や開店のお祝いに贈られることも少なくありません。
根を張り、少しずつ葉を広げていく植物の姿に、人々は、暮らしや商いが、しっかりと根づいて育っていくことを重ね合わせてきたのでしょう。部屋に一鉢の緑を迎えることは、いつの時代も、ささやかな祈りでもあったのです。
そばにある緑が心と体を支える力と、人がもともと持っている、生き物とつながりたいと願う心。海を越えて植物を運んだガラスの箱と、縁起を願って育てられてきた万年青。観葉植物の夢は、あなたがいま、どんな安らぎを求め、そして、何を大切に育てていきたいと願っているのかを、そっと問いかけているのかもしれません。
ここまでの内容をもとにした、夢の意味をたどる創作ストーリーは、こちらの夢物語でお楽しみいただけます。
よくある質問
観葉植物の夢で、緑に囲まれてとても落ち着いていました。
緑に囲まれて落ち着いていた夢は、あなたの心が、自然とのつながりや、静かな安らぎを求めていることの表れと読むことができます。
ウィルソンのバイオフィリアの考え方のように、人は、生き物や緑のそばで、ほっとできるようにできています。
休日には、公園や植物園を歩いたり、部屋に小さな鉢植えを置いたりして、緑に触れる時間をつくってみてください。
仕事机の上に、観葉植物を置く夢を見ました。
仕事机に観葉植物を置く夢は、張りつめた毎日の中に、少しの癒やしや、心のゆとりを取り入れたいという願いの表れと読むことができます。
ローアらの研究が示すように、そばにある緑は、集中力や落ち着きを支えてくれるものです。実際に、小さな植物を机に置いてみるのもよいでしょう。
ふと目を向けたときの緑が、心をやわらかくしてくれます。

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