
監禁される夢が持つ基本的な意味については、こちらの夢占い記事で解説しています。
この記事では、なぜ閉じこめられる夢が、息苦しさと同時に、そこから抜け出す力の芽生えを感じさせることがあるのかを、自由を奪われた状況の中でも、人の心に残る力を見つめた二つの視点と、閉ざされた場所から抜け出した人々の物語から、掘り下げてみます。
すべてを奪われても残る、態度を選ぶ自由
一つ目の視点は、オーストリアの精神科医ヴィクトール・フランクルです。フランクルは、第二次世界大戦中、ナチスの強制収容所に送られ、家族を失い、極限の日々を生き抜きました。
そして戦後、その体験をもとに『夜と霧』を著しました。フランクルは、すべてを奪われた収容所の中でも、人間には、たった一つ、奪われることのない自由が残されていると書いています。
それは、与えられた状況に対して、どのような態度をとるかを選ぶ自由です。また、いつか再会したい人や、果たしたい仕事など、未来に目的を持ち続けた人ほど、心の力を保ちやすかったことも、フランクルは見つめていました。
ストレスに強い人の「ハーディネス」
二つ目の視点は、アメリカの心理学者スザンヌ・コバサです。コバサは1979年、強いストレスにさらされている管理職の人たちを調べ、同じように大きなストレスを抱えていても、病気になりやすい人と、そうでない人がいることに注目しました。
そして、ストレスに強い人たちには、三つの共通点があることを見いだします。目の前のことに意味を見いだして関わろうとする「関与」、自分の行動で状況に影響を与えられると考える「統制」、変化を脅威ではなく成長の機会と受け止める「挑戦」です。
コバサは、これを「ハーディネス」、つまり心の頑健さと呼びました。
フランクルが「すべてを奪われても残る、態度を選ぶ自由」に目を向けたのに対して、コバサは「困難の中でも、意味と統制と挑戦を見いだす心の強さ」に目を向けたといえるでしょう。
脱出を考える夢、うずくまる夢
監禁される夢で、閉じこめられながらも、脱出の方法を考え続けていたなら、あなたの心は、状況に飲みこまれず、自分の力を信じようとしているのかもしれません。
閉ざされた部屋の中で、ただうずくまっていたなら、いまは心が疲れていて、回復のための休息を必要としているのかもしれません。
では、閉ざされた場所から抜け出した人々の物語は、どのように語られてきたのでしょうか。
牢獄で学び続けた『モンテ・クリスト伯』
フランスの作家アレクサンドル・デュマが書いた『モンテ・クリスト伯』では、無実の罪を着せられた青年エドモン・ダンテスが、海に浮かぶ孤島の牢獄に閉じこめられます。
絶望の淵にいた彼を救ったのは、隣の独房から抜け穴を掘ってきた老神父ファリアでした。ダンテスは、神父から学問や語学を学び、秘められた財宝のありかを教えられます。
そして十四年後、亡くなった神父の亡きがらの代わりに袋に入り、海へ投げこまれることで、ついに脱出を果たしたのです。
この物語は、明治時代に黒岩涙香によって『巌窟王』として翻案され、日本でも多くの人に愛されました。
ダンテスが牢獄で過ごした十四年は、ただ失われた時間ではありませんでした。神父から学んだ知識と、生き抜こうとする意志が、彼を、閉じこめられる前とはまったく違う人間に変えていたのです。
閉ざされた場所で過ごす時間が、外の世界で生きるための力をたくわえる時間になることもある。この物語は、そんな希望も伝えています。
天岩戸を開いた、外からの笑い声
日本の神話では、太陽の神アマテラスが、自ら天岩戸に閉じこもってしまいます。その扉を開いたのは、外から聞こえてきた神々の楽しげな笑い声でした。閉ざされた場所から抜け出すきっかけは、ダンテスにとっての神父のように、ときに、外から差し伸べられる誰かの存在や、ささやかな希望の光なのです。
すべてを奪われても残る、態度を選ぶ自由と、困難の中でも意味と挑戦を見いだす心の強さ。孤島の牢獄で学び続け、ついに脱出した青年と、笑い声に誘われて岩戸を開いた太陽の神。
監禁される夢は、あなたがいま、何に閉じこめられていると感じていて、その扉を開く鍵が、どこにあるのかを、そっと問いかけているのかもしれません。
ここまでの内容をもとにした創作ストーリーは、こちらの夢物語でお楽しみいただけます。
よくある質問
監禁される夢の中で、なぜか落ち着いて脱出の方法を考えていました。
閉じこめられながらも、落ち着いて脱出の方法を考えていた夢は、あなたの中に、困難な状況でも自分を見失わない強さが育っていることの表れと読むことができます。
フランクルが説いたように、どんな状況でも、どのような態度をとるかを選ぶ自由は残されています。
いま抱えている悩みにも、その落ち着いた視点で、できることを一つずつ探してみてください。
監禁されているとき、誰かが外から助けに来てくれました。
監禁されている自分を、誰かが外から助けに来てくれる夢は、困っているあなたを支えてくれる人が、すぐそばにいることの表れと読むことができます。
『モンテ・クリスト伯』のダンテスが、老神父との出会いによって希望を取り戻したように、一人では開けられない扉も、誰かの手を借りれば開くことがあります。
助けを求めることを、ためらわないでください。


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