
私は、どこかの家の部屋の中にいた。
見覚えのある場所で、私はそこで慣れたように過ごしていた。今の自宅だったのかもしれない。けれど、どこか少し違う気もする。
パートナーが、赤ちゃんを産もうとしていた。
私はそのそばで、生まれてくる子の名前を考えていた。
名前は、考えるより先に頭の中に浮かんできた。
「しおん」
これはもう決まりだ、という感覚があった。
悩んでいたのは、どの漢字を当てるかだった。
「詩音」「紫音」……。二つの字面が、頭の中をぐるぐると回る。どちらかといえば「詩音」に気持ちが傾いていて、ほとんど決まりかけていた。
そこへ最後に、もう一つ浮かんできた。
「詞音」
ああ、詞音もあるか……。でも、名前に「詞」の字はあまり使わないよな……。
音はとうに決まっているのに、字だけがなかなか決まらない。
場面が変わり、私は生まれた赤ちゃんを腕に抱いていた。
女の子だった。生まれたばかりにしては、ずいぶん大きな印象の赤ちゃんだ。
全体的に、赤みの強いピンク色をしていた。頭はやや大きく、肌はつるんとしていて可愛らしい。声は一度も上げなかった。
何より印象的だったのは、その目だ。大きな目に、レンズのようなものをかけているように見えた。もしかしたら目が不自由なのだろうか……と、ふと思った。
赤ちゃんは私に抱かれながら、左右をきょろきょろと見回していた。何かを探しているようだった。
私の胸には、うれしい気持ちが広がっていた。
名前は、やはり「しおん」になった。
けれど、どの「しおん」に決まったのか、私にはわからなかった。
不思議な夢を見た、と思った。
私は時々、子どもが出てくる夢を見る。赤い子だったり、青い子だったり、頭がやけに大きな子だったりと、どこか人間らしくない子どもたちだ。敵意はなく、たいていは友好的で、夢の中の私は当たり前のように「子ども」だと受け止めている。けれど目が覚めてから思い返すと、人間っぽくないな……と思う。
そんな夢を見るたびに、私は、これは少し霊的な夢なのかもしれないと感じている。
今回の赤ちゃんも、あの子たちと同じ空気をまとっていた。
レンズの奥の大きな目で、あの子はいったい何を探していたのだろう。

この夢日記は創作物ではなく、管理者が実際に見た夢を書き起こしているわ。



