
私は、時代劇の中のような場所にいた。
屋外だったと思う。
私の手もとには、一振りの大きな刀があった。私はそれを預かっていた。もしかしたら、今の持ち主は私だったのかもしれない。
とにかく、普通の刀ではなかった。
槍よりも長く、刃も大きい。鍔は大きく、柄も太い。柄は鍔の先まで伸びていて、そこも握れるようになっている。
拵えは、全体が緋色だった。
とてもではないが、常人に扱えるものには見えなかった。
この刀は、もともとある壮年の武士のものだった。
男は一線を退くときに、この刀を手放したのだという。
その男が、もう一度この刀を手にしたいと言っている。
私は、刀を渡すかどうか迷っていた。
男の身を案じる気持ちがあった。けれど私も男も、この刀が男のもとへ戻ることを望んでいたように思う。
そこへ、男の上司にあたる偉い人が現れた。
「柄に持ち手をつけて、それでも持てたら刀を渡そう」
持ち手というのは、柄にかぶせるカバーのようなものだ。つければ柄はさらに太くなり、ますます握りにくくなる。
それでも偉い人もまた、刀が男に戻ることを望んでいるように見えた。
私は柄にカバーをつけた。
なぜか、男は持ち上げられるだろうという確信があった。
男は自信のある顔で刀に手をかけ、意気揚々と持ち上げた。
こうして刀は、男のもとへ帰っていった。
私はうれしかった。
夢は、そこで終わった。
目が覚めてからも、あの緋色の刀の姿が頭から離れなかった。
ふだんの暮らしで、刀に触れることはない。けれど夢の刀は、以前熱田神宮で見た、展示されている大きな刀によく似ていた。
あの男は、もう一度刀を手にして、何をしようとしていたのだろう。

anima
この夢日記は創作物ではなく、管理者が実際に見た夢を書き起こしているわ。

