
選ばれる夢と聞くと、うれしい知らせを告げる吉夢を思い浮かべるかもしれません。たしかに夢占いでは、努力が認められ、運気が上向いていくサインとされることが多い夢です。
けれど同時に、「誰かに認めてほしい」「必要とされたい」という、心の奥の渇きを映していることも少なくありません。
大勢の中から自分の名前が呼ばれた瞬間の、胸が高鳴るような感覚。うれしさと一緒に、どこか落ち着かない気持ちも残っていなかったでしょうか。
夢の中で何に選ばれ、どんな気持ちだったのかを手がかりに、意味を読み解いていきましょう。
選ばれる夢の主な意味
- これまでの努力が認められ、評価が高まっていくサイン
- 周りから必要とされたい、認めてほしいという気持ち
- 新しい役割や責任を任されることへの期待
- 選ばれて戸惑う夢は、期待の重さへのプレッシャー
- 選ばれない夢は、自信のゆらぎや比べる気持ちの表れ
基本の意味
選ばれるということは、大勢の中から、あなたの力や魅力が認められるということです。そのため夢の中で選ばれることは、努力が実を結び、周りからの評価が高まっていくことを象徴するとされます。
選ばれて素直に喜んでいたなら、自信が満ちていて、チャンスをつかみやすい時期を示す吉夢です。
一方で、この夢は、認められたい、必要とされたいという気持ちが強くなっているときにも見やすいものです。
現実で頑張っているのに報われていないと感じていると、その願いが夢の中で形になることがあります。
選ばれたときの気持ちが、喜びだったのか、安堵だったのか、それとも重荷だったのか。その違いが、夢のメッセージを読み分ける手がかりになります。
心理学的見解
アメリカの心理学者アブラハム・マズローは、人の欲求を段階的に整理し、食べることや安全といった基本的な欲求が満たされると、人は仲間に受け入れられたい、そして周りから認められ尊重されたいという欲求を強く持つようになると考えました。
この「承認の欲求」は、誰にでもある自然な心の動きです。現代的な夢の見方に立てば、選ばれる夢は、日ごろの頑張りを誰かに認めてほしいという気持ちが、選ばれるという分かりやすい形で現れたものと読むことができます。
夢の中で誰に選ばれたのかに目を向けると、あなたがいちばん認めてほしいと願っている相手が見えてくるかもしれません。
ちなみに、多くの中から選ばれることを「白羽の矢が立つ」といいます。この言葉は、神さまが生け贄として望む娘の家の屋根に、白い羽根の矢を立てて知らせたという言い伝えから生まれたとされます。
もとは恐ろしい選ばれ方を表していた言葉が、いまでは、多くの中から見込まれて抜擢されるという前向きな意味で使われるようになりました。
選ばれることには、昔から、名誉と重い責任の両方がともなっていたのです。
状況別の意味
主役に選ばれる
劇や映画、イベントなどで主役に選ばれる夢は、あなたの魅力や才能が周りに認められ、注目を集める時期が来ていることを示す吉夢です。
自分を表現したいという気持ちも高まっているのでしょう。主役を堂々と演じていたなら、自信を持って前に出てよいというサインです。
ためらっていた発表や提案があるなら、思い切って手を挙げてみてください。思っている以上に、周りはあなたの出番を待っています。
リーダーや代表に選ばれる
チームのリーダーやグループの代表に選ばれる夢は、責任ある立場を任されることや、周りからの信頼が高まっていることを示しています。
仕事や地域の活動で、まとめ役を頼まれる機会が近いのかもしれません。選ばれてやる気に満ちていたなら、リーダーシップを発揮できる時期です。
一方で重荷に感じていたなら、一人で背負いこまず、周りの力を借りながら役目を果たす方法を考えてみましょう。
選手に選ばれる
スポーツの試合や大会の選手に選ばれる夢は、努力が実を結び、目標に向かって前進できることを示しています。
地道に積み重ねてきたことが、ようやく評価される段階に来ているのでしょう。試合を前にわくわくしていたなら、挑戦の結果も前向きなものになりそうです。
緊張が強かったなら、期待に応えたい気持ちが大きい証拠です。準備をもう一度確かめて、落ち着いて本番を迎えてください。
結婚相手や恋人に選ばれる
誰かに結婚相手や恋人として選ばれる夢は、愛されたい、大切にされたいという気持ちの高まりを表しています。
恋愛運が上向き、心が通い合う出会いや、関係の進展が期待できる時期です。相手が知っている人なら、その人への好意や信頼が、心の中で育っているのでしょう。
選ばれるのを待つだけでなく、自分の気持ちも少しずつ言葉にしてみると、関係はより確かなものになっていきます。
コンテストやミスコンで選ばれる
コンテストやミスコンで一位に選ばれる夢は、自分の魅力に自信を持てていることや、周りから注目されたいという気持ちを表しています。
容姿や才能が認められ、人気運が高まっていく暗示でもあります。華やかな舞台が印象的だったなら、有名人に会う夢と同じく、自己表現への憧れが強まっているのかもしれません。
自信を大切にしつつ、評価だけにとらわれない自分らしさも磨いていきましょう。
選挙で選ばれる
選挙に当選して選ばれる夢は、多くの人から信頼され、支持を得られることを示しています。あなたの考えや行動が、周りの人の共感を集めているのでしょう。
人のためにできることを考える気持ちが高まっている時期でもあります。当選してうれしかったなら、その思いを形にする好機です。
周りの声にしっかり耳を傾けながら、自分にできる役割を、ひとつずつ果たしていくとよいでしょう。
抽選やくじで選ばれる
大勢の中から抽選やくじで選ばれる夢は、思いがけない幸運が舞いこむことを示す吉夢です。努力とは関係なく、ふとした巡り合わせでチャンスが訪れるのかもしれません。
当選して喜んでいたなら、運気の流れに乗れている証拠です。ただし、幸運に頼りきりになると、次の一歩が遅れてしまいます。
めぐってきたチャンスを、自分の力で育てていく意識を持つと、運がいっそう味方してくれます。
オーディションで選ばれる
オーディションや面接に合格して選ばれる夢は、自分の実力を試したい、新しい世界に挑戦したいという気持ちの表れです。
これまで準備してきたことが、評価される日が近いのでしょう。合格を喜んでいたなら、挑戦に踏み出すのにぴったりの時期です。
不安を抱えていたなら、自分の力を信じきれていないのかもしれません。できていることを書き出して、自信の土台を確かめてみてください。
好きな人に選ばれる
大勢の中から、好きな人が自分を選んでくれる夢は、その人に特別な存在として見てほしいという願いを表しています。
恋愛運が高まり、気持ちが通じ合うきっかけが訪れる暗示でもあります。選ばれたときの安心感が大きかったなら、関係に不安を感じていたことの裏返しかもしれません。
相手の気持ちを確かめたくなったら、まずは自分から、さりげなく好意を示してみるとよいでしょう。
大勢の中から突然指名される
会議や授業の場で、突然自分の名前を呼ばれて指名される夢は、周りから期待されていることや、思いがけない役割が回ってくることを示しています。
心の準備ができていないと感じて、驚いていたのかもしれません。指名されて堂々と応えられていたなら、実力が十分に育っている証拠です。
焦りが強かったなら、日ごろから考えを少し整理しておくと、いざというときに落ち着いて対応できます。
選ばれたのに戸惑う・うれしくない
選ばれたのに、うれしさより戸惑いや重荷を感じる夢は、周りの期待と、自分の気持ちとのあいだにずれがあることを表しています。
本当は望んでいない役割を、断れずに引き受けているのかもしれません。白羽の矢には、もともと重い責任が込められていたように、選ばれることは、いつも喜びだけとは限りません。
自分が本当にやりたいことは何か、一度ゆっくり確かめてみてください。
選ばれない・落選する
選ばれなかったり、落選したりする夢は、自信がゆらいでいることや、周りと自分を比べて不安を感じていることを表しています。
認められたいのに、うまくいかないもどかしさを抱えているのでしょう。ただ、夢占いでは、逆夢として、現実では努力が報われる前兆と読まれることもあります。
試験の結果が気になるなら試験の夢も参考にしながら、いまできる準備を丁寧に続けていきましょう。
自分だけ選ばれない
周りのみんなが選ばれていくのに、自分だけが取り残される夢は、仲間外れにされることへの不安や、居場所がないと感じる寂しさを映しています。
人の輪の中で、自分の役割を見失いかけているのかもしれません。けれど、選ばれなかったことは、あなたの価値が低いということではありません。
まずは自分のよいところを一つ書き出し、自分自身が自分を選んであげることから始めてみてください。
誰かが選ばれるのを見ている
ほかの誰かが選ばれる場面を見ている夢は、その人への憧れや、うらやましさ、あるいは自分も認められたいという気持ちを表しています。
選ばれた人が知っている人なら、その人の持つ魅力を、あなたが必要としているのかもしれません。
素直に祝福できていたなら、心にゆとりがある証拠です。悔しさが残ったなら、その気持ちを、自分が目指したいものを知るための手がかりに変えてみましょう。
自分が誰かを選ぶ側から選ばれる側になる
いつもは選ぶ立場の自分が、反対に誰かから選ばれる側に回る夢は、立場の変化や、新しい視点を得ることを示しています。
評価する側だったあなたが、評価される側の気持ちを知ることで、人への接し方が変わっていく時期なのでしょう。
戸惑いながらも受け入れていたなら、柔軟さが育っている証拠です。相手の立場に立って考える経験を、これからの人間関係に活かしてみてください。
まとめ
選ばれる夢は、努力が認められていく喜びと、認めてほしいという心の渇きの、両方を映し出す夢です。
主役やリーダーに選ばれる夢は、自信を持って前に出てよいという明るいサイン。選ばれて戸惑う夢や、選ばれない夢は、期待の重さや、比べる気持ちに気づくきっかけを与えてくれます。
夢の中で、自分の名前が呼ばれたときの気持ちを、ひとつだけ思い出してみてください。その感覚が、いまのあなたが本当に求めているのが評価なのか、安心なのかを、そっと教えてくれるはずです。
この夢をもとにした、SF仕立ての創作ストーリーはこちらの夢物語でお楽しみいただけます。
マズローの承認の欲求やロジャーズの「無条件の肯定的配慮」、英雄神話の「召命」、亀卜で選ばれた斎王の歴史をもっと深く知りたい方は、こちらの夢ことほぎ記事もご覧ください。
よくある質問
選ばれる夢を見たのに、現実では何も起きません。
選ばれる夢は、すぐに目に見える出来事を予告するというより、あなたの中で、認められる準備や自信が育ってきていることを示している場合が多いものです。
現実で選ばれる機会は、思っているよりも静かに、少しずつやってきます。夢を見たあとは、自分から小さく手を挙げる場面を意識して増やしてみてください。
選ばれるきっかけは、待つだけでなく、自分でつくることもできます。
選ばれることにプレッシャーを感じる夢をよく見ます。
くり返し見る場合は、周りの期待に応えなければという思いが、心の中で大きくなっているのかもしれません。
真面目で責任感の強い人ほど、選ばれることを喜びより重荷として受け止めやすいものです。すべての期待に応えなくてもいい、と自分に言ってあげることも大切です。
引き受けることと、断ることの両方を選べる自分でいられるよう、気持ちに余白を残しておいてください。

