【夢ことほぎ】漢字の夢の心理学的意味|由来・背景

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【夢ことほぎ】漢字の夢の心理学的意味|由来・背景

漢字の夢が持つ基本的な意味については、こちらの夢占い記事で解説しています。

この記事では、なぜ漢字が、夢の中で「学ぶこと」や「思いを形にすること」と結びつきやすいのかを、手で書くことが文字の記憶にもたらす力を見つめた二つの研究と、漢字が日本にやってきてから、いまも人々の心をつかみ続けている歴史から、掘り下げてみます。

手で書くと、文字は深く刻まれる

一つ目の視点は、フランスの研究者マリーケ・ロンカンらです。ロンカンらは2008年、大人たちに、見たことのない新しい文字を覚えてもらう実験を行いました。

半分の人は、その文字を手で書いて覚え、もう半分の人は、キーボードで入力して覚えました。数週間後、どちらがよく覚えているかを確かめると、手で書いて覚えた人のほうが、文字の形を、より正確に見分けられたのです。

さらに、手で書いて覚えた文字を見るときには、脳の中で、手を動かすことに関わる部分も働いていたことが報告されています。

文字は、目だけでなく、手の動きとともに記憶されているのです。

思い出すとき、指が動く「空書」

二つ目の視点は、日本の心理学者、佐々木正人です。佐々木は1980年代、日本人が、漢字を思い出そうとするとき、指で空中や手のひらに文字を書くしぐさをすることに注目し、これを「空書」と名づけて研究しました。

実験では、漢字のパーツを組み合わせて文字を答える問題で、多くの人が自然と空書をしていました。

そして、手を動かせないようにすると、正しく答えられる割合が下がったのです。私たち日本人にとって、漢字は、指先で覚えている文字でもあるのです。

ロンカンらが「手で書くことで深く刻まれる文字の記憶」に目を向けたのに対して、佐々木は「思い出すときに、手が文字を導くしぐさ」に目を向けたといえるでしょう。

ていねいに書く夢、指でなぞる夢

漢字の夢で、ていねいに文字を書いていたなら、あなたの心は、学んだことや考えを、しっかり自分のものにしたいと願っているのかもしれません。

思い出せない漢字を、指でなぞりながら探していたなら、言葉にしきれない思いを、なんとか形にしようとしているのかもしれません。

では、漢字は、日本の人々とどのように関わってきたのでしょうか。

志賀島から現れた金印

江戸時代の1784年、福岡の志賀島で、田んぼの溝を直していた農民が、土の中から小さな金色の印を掘り当てました。

そこには「漢委奴国王」という五つの文字が刻まれていました。中国の歴史書『後漢書』には、西暦57年、倭の奴国の使いに、皇帝が印を授けたと記されています。

この金印は、日本に伝わった漢字の、最も古い確かな証拠の一つとされ、いまは国宝として大切に保管されています。

一年を映す「今年の漢字」

それから二千年近くがたったいまも、漢字は、人々の心をつかみ続けています。毎年十二月、その年の世相を表す一文字を、全国から募って選ぶ「今年の漢字」は、京都の清水寺で、僧侶が大きな和紙に筆で書きあげて発表されます。

1995年に初めて選ばれたのは、阪神・淡路大震災のあった年を表す「震」の一文字でした。一つの文字に、一年分の人々の思いが込められるのです。

白川静と、祈りの器「口」

漢字の成り立ちを、生涯をかけて読み解いた研究者もいます。立命館大学の白川静は、古代中国の甲骨文字や青銅器の文字を、一字一字、手で書き写しながら研究を続けました。

そして、多くの漢字に含まれる「口」の形が、もともとは人の口ではなく、神への祈りの言葉を入れる器を表していたのではないかと唱えました。白川の説には異論もありますが、一つひとつの文字の奥に、古代の人々の祈りや暮らしが眠っているという見方は、多くの人の心をとらえています。

手で書くことで深く刻まれる記憶と、思い出すときに指先が文字を導くしぐさ。土の中から現れた二千年前の金印と、一年の思いを一文字に込める現代の習わし。漢字の夢は、あなたがいま、どんな思いを形にしたいのか、そして、その思いを、どんな一文字で表したいのかを、そっと問いかけているのかもしれません。

ここまでの内容をもとにした、夢の意味をたどる創作ストーリーは、こちらの夢物語でお楽しみいただけます。

よくある質問

夢の中で、指で空中に漢字を書いていました。

指で空中に漢字を書く夢は、思い出したいことや、形にしたい考えを、心がなんとかたぐり寄せようとしていることの表れと読むことができます。

佐々木正人の空書の研究が示すように、日本人は、手の動きとともに漢字を覚えています。目が覚めたら、気になっていることを、実際に紙に書き出してみてください。

手を動かすうちに、考えがすっとまとまってくるかもしれません。

夢の中の漢字の、部首だけがはっきり見えていました。

漢字の一部分である部首だけが印象に残る夢は、物事の全体ではなく、その根っこにある本質や、大切な一部分に、心が目を向けていることの表れと読むことができます。

さんずいなら水や感情、きへんなら成長、ごんべんなら言葉というように、部首には、その文字の意味の手がかりが込められています。夢の中の部首が表すものを、いまの自分の暮らしに重ねてみてください。

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