
目が覚めても、胃のあたりに重たいものが残っている。気持ち悪い夢は、ただ不快なだけの夢だと思われがちです。
けれど夢占いでは、意外にも、あなたを守ろうとする心の働きが表れた夢として読まれることが少なくありません。
夢の中の気持ち悪さは、無理を重ねている体や、本当は受け入れたくない人や出来事に対して、心が「これ以上は入れないで」と出しているサインです。何が気持ち悪かったのか、そしてその感覚が最後にどうなったのかを手がかりに、夢のメッセージをたどっていきましょう。
気持ち悪い夢の主な意味
- 心や体に、疲れやストレスがたまっている
- 受け入れたくない人や出来事への、無意識の拒否反応
- 言葉にできていない違和感への気づき
- 見ないふりをしてきた問題が、表に出てきているしるし
- 気持ち悪さが消える夢なら、状況が好転していく兆し
基本の意味
気持ち悪いという感覚は、もともと、体に合わないものを口に入れたときに、それを外へ出そうとする反応から生まれたものです。夢の中の気持ち悪さも、あなたの心が、何かを「取りこみたくない」と感じていることを映しています。
その相手は、苦手な人かもしれませんし、納得できないまま引き受けた仕事や、自分でも認めたくない思いかもしれません。
また、単純に、体や心が疲れきっていることを知らせている場合もあります。気持ち悪い夢が続くときは、まず、睡眠や食事、休息が足りているかを見直してみてください。
この夢は、悪いことが起きる予告というより、いまのあなたに合わないものを見分けるための、内側からの知らせと受けとるとよいでしょう。
吉夢・凶夢の見方
気持ち悪い夢の吉凶は、何に対して気持ち悪さを感じたのか、そして、その感覚が夢の終わりまで続いたかどうかで読み分けます。
気持ち悪さが最後まで消えなかった夢や、どこへ行っても逃げられなかった夢は、疲れやストレスが限界に近いことへの注意です。運気が下がりやすい時期でもあるので、新しいことを始めるより、心身を整えることを優先しましょう。
一方、吐き出してすっきりした夢、誰かに助けられた夢、気持ち悪さがふっと消えた夢は、ため込んでいたものから解放され、状況が上向いていくことを示す吉夢です。
どちらの場合も、不快だった場面そのものより、目覚めたときに胸に残った感覚を大切にしてください。
心理学的見解
アメリカの神経科学者アントニオ・ダマシオとアントワーヌ・ベシャラたちは、1997年に、四つのカードの山からカードを引いていく、お金の増減を競うゲームの実験を発表しました。
山の中には、ときどき大きく損をする「危ない山」がまぎれています。参加者たちは、どの山が危ないのかをまだ言葉で説明できない段階から、危ない山に手を伸ばそうとすると、手のひらに汗をかくような体の反応を見せはじめていました。そして、理由をはっきりと意識する前に、少しずつ安全な山を選ぶようになっていったのです。
この結果の解釈には、のちに異論も出ていますが、ダマシオは、体に表れる感覚が、判断を陰で支えていると考えました。なんとなく気持ち悪いという感覚も、頭が気づく前に、心と体が危うさを察している合図なのかもしれません。
日本には、「臭い物に蓋をする」ということわざがあります。見たくないものや都合の悪いことを、根本から片づけずに、その場しのぎで覆い隠してしまうことのたとえです。
気持ち悪い夢は、あなたが蓋をしてきた何かが、眠りの中で、そっと存在を知らせてきた夢とも読めます。
状況別の意味
吐き気がするほど気持ち悪い
体調が悪く、吐き気がこみあげてくる夢は、健康運の低下と、心にたまったストレスを知らせています。
ここしばらく、疲れているのに休まず、気持ちを押しこめたまま頑張ってこなかったでしょうか。
吐き気は、体が「もう入りきらない」と伝えているサインでもあります。予定をひとつ減らし、早めに眠る日をつくってみましょう。気になる不調が現実にもあるなら、無理をせず医療機関で相談してください。
気持ち悪くなって吐き出し、すっきりする
気持ち悪さに耐えきれず、吐き出してすっきりした夢は、ため込んでいた不満や悲しみを、ようやく外へ出せることを表す吉夢です。
誰かに本音を打ち明けたり、泣いたりすることで、心が軽くなる出来事がありそうです。
胸の中にしまいこんでいたものは、外に出したとたん、思っていたより小さく見えることがあります。ためらっていた思いがあるなら、信頼できる人に、少しだけ打ち明けてみるのもよさそうです。
吐いたあとも気持ち悪さが消えない
吐いたのに、気持ち悪さがいつまでも残る夢は、問題の原因がまだ取りのぞかれていないことへの注意です。
愚痴をこぼしたり、気晴らしをしたりしても、根っこにある不満が片づいていないのではないでしょうか。
その場しのぎで気分を変えるより、何がいちばん負担になっているのかを、紙に書き出してみてください。原因に名前がつくと、手の打ちようも見えてきます。
乗り物に酔って気持ち悪くなる
車や船、電車などに酔って気持ち悪くなる夢は、自分ではどうにもできない流れに、振り回されている感覚を表しています。
職場の方針や家族の都合など、ほかの人がハンドルを握る状況に、心が追いつけていないのかもしれません。
いまは、あらゆることを自分でコントロールしようとしなくて大丈夫です。遠くの景色を見ると酔いがやわらぐように、少し先の目標に目を向けると、気持ちが落ち着いてくるでしょう。
お酒を飲みすぎて気持ち悪い
お酒を飲みすぎて気持ち悪くなる夢は、楽しさや気晴らしを求めるあまり、自分の限度を越えてしまうことへの注意を示しています。
とくに、お金の使いすぎや、つきあいの断れなさが、負担になっていないかを振り返ってみてください。
夢の中で後悔していたなら、心のどこかで、いまのペースを変えたいと思っているはずです。次の誘いをひとつ断ってみるところから始めましょう。
気持ち悪い人に話しかけられる
見知らぬ人や、苦手な人に話しかけられて気持ち悪いと感じる夢は、その人、あるいはその人に似たタイプの相手への、拒否反応を表しています。
理由ははっきりしなくても、近づきすぎると疲れてしまう相手が、身近にいるのではないでしょうか。
その違和感は、わがままではなく、自分を守るための大切な感覚です。無理に仲良くしようとせず、心地よい距離を保つことを自分に許してあげてください。
親しい人が急に気持ち悪く思える
仲のよい友人や家族、恋人が、夢の中で急に気持ち悪く感じられた場合は、その人との関係に、小さなずれや違和感が生まれていることを示しています。
相手を嫌いになったというより、言えずにのみこんできた不満が、形を変えて表れているのかもしれません。
関係を壊したくないからこそ、気になっていることを、穏やかな言葉で伝えてみてはいかがでしょうか。小さなうちに話し合えば、ずれは修復しやすいものです。
正体のわからない生き物が気持ち悪い
見たこともない、正体のわからない生き物を気持ち悪く感じる夢は、これまでに出会ったことのないタイプの人や、慣れない環境と関わることへの戸惑いを表しています。
相手の考えが読めず、振り回されることを心配しているのではないでしょうか。
ほどよい距離を保ちながら、相手を観察してみると、見えてくるものがあるはずです。似た夢が気になる方は、得体の知れない生物の夢の意味もあわせて読んでみてください。
気持ち悪い虫がうごめいている
足の多い虫や、うじゃうじゃと群れる虫を気持ち悪く感じる夢は、対人運が下がり気味で、小さなトラブルに巻き込まれやすいことを示しています。
苦手な人の言動や、うわさ話など、こまごまとした気がかりが、あなたの心をざわつかせているのかもしれません。
いまは、人の多い場所や、必要以上のつきあいを少し控えて、自分の時間を確保するとよいでしょう。
気持ち悪い虫を自分で退治する
気持ち悪い虫を、自分の手で追い払ったり、退治したりする夢は、悩みの種を、自分の力で取りのぞけることを示す吉夢です。
これまで我慢してきた問題に、ようやく向き合う覚悟が決まりつつあるのでしょう。
誰かが代わりに退治してくれたなら、その人が、あなたの力になってくれることを表しています。差し出された助けは、素直に受けとってみてください。
深海魚のような気持ち悪い魚
深海魚のように、見慣れない姿の魚を気持ち悪いと感じる夢は、心の深いところにしまっていた感情が、浮かび上がってきていることを表しています。
また、仕事や勉強の負担が積み重なり、気づかないうちに疲れがたまっているサインでもあります。
休むことも、自分を管理する大切な仕事のひとつです。湯船にゆっくりつかる、好きな音楽を聴くなど、深く息がつける時間を意識してつくってみましょう。
景色や部屋の雰囲気が気持ち悪い
どんよりとした景色や、よどんだ空気の部屋など、その場の雰囲気が気持ち悪い夢は、いまの環境に、心が居心地の悪さを感じていることを示しています。
職場や家庭に、言葉にしにくい緊張感が漂っていないでしょうか。
すぐに環境を変えられなくても、机の上を片づける、窓を開けるなど、手の届く範囲を整えるだけで、気分は変わります。よごれた景色の夢が気になる方は、汚い夢の意味も参考にしてください。
濡れた服や、べたつく感触が気持ち悪い
濡れた服が肌にはりついたり、手がべたべたしたりして気持ち悪い夢は、すっきりしない人間関係や、なかなか片づかない用事が、心にまとわりついていることを表しています。
運気や体調が、少し下り坂にあることを知らせている場合もあります。
まとわりつく感覚を手放すには、ひとつずつ終わらせていくのがいちばんです。いちばん気が重い用事を、今週中に片づけてみてください。
気持ち悪くて鳥肌が立つ
ぞっとして鳥肌が立つほど気持ち悪い夢は、あなたが心の奥で恐れていることが、意識の表面に近づいてきていることを示しています。
将来への不安や、誰かとの関係で避けてきたことが、頭から離れなくなっているのではないでしょうか。
恐れていることは、ぼんやりしているほど大きく感じられます。何が怖いのかを具体的に書いてみると、備えられることが見えてくるでしょう。
冷や汗が止まらず気持ち悪い
冷や汗が流れて止まらず、気持ち悪さを感じる夢は、強い緊張やプレッシャーにさらされていることを表しています。
大事な発表や話し合いを前に、失敗したくない気持ちが、体の感覚として夢に表れているのでしょう。
緊張するのは、それだけ真剣に向き合っている証拠です。準備できることを整えたら、あとは深呼吸をして、自分を信じてあげてください。汗の夢が気になる方は、汗の夢の意味もあわせてどうぞ。
自分自身が気持ち悪く思える
鏡に映った自分の姿や、自分の振る舞いが、気持ち悪く思えてしまう夢は、自分を責める気持ちや、自己嫌悪が強まっていることを示しています。
誰かの期待に合わせるうちに、本当の自分から離れてしまった感覚があるのかもしれません。
この夢は、変わりたいという気持ちの裏返しでもあります。できなかったことより、今日できたことをひとつ数えて、自分への評価を少しだけゆるめてみましょう。
気持ち悪さがすっと消える
夢の途中で、気持ち悪さが嘘のように消えていく夢は、運気が回復し、物事がよい方向へ動きはじめることを示す吉夢です。
長く悩んでいた問題に、思いがけない解決の糸口が見つかったり、周りの助けが得られたりするでしょう。
楽になった瞬間の感覚を、目覚めたあとも覚えておいてください。その軽さが、これからの日々を前向きに進めていく支えになります。
まとめ
気持ち悪い夢は、あなたの心と体が、合わないものや、限界に近い疲れを察して、知らせてくれている夢です。
吐き気や乗り物酔い、冷や汗の夢は、無理を重ねてきた自分をいたわってほしいという合図。人や生き物、景色への気持ち悪さは、言葉にならない違和感への気づきを映しています。そして、吐き出してすっきりする夢や、気持ち悪さが消える夢は、状況が上向いていく兆しです。
不快な感覚は、決してあなたの敵ではありません。
夢の中で、いちばん気持ち悪いと感じたのは何だったでしょうか。それと似たものが、いまの暮らしのどこにあるのかを、ひとつだけ思い浮かべてみてください。
同棲して三か月、やさしい恋人のことを、夢の中で気持ち悪いと感じてしまった女性が、友人に思いを吐き出し、自分の皿というささやかな境界に気づいていく創作ストーリーを、こちらの夢物語にまとめました。
気持ち悪い夢がなぜ、心の拒否反応や自分を守るための合図として読まれてきたのか、ガルシアの味覚嫌悪の実験やトライスマンの乗り物酔いの毒仮説、ダーウィンが旅先で感じた嫌悪、「nausea」の語源や日本語の「吐く」、ローマのヴォミトリウムの話からもっと深く知りたい方は、こちらの夢ことほぎ記事もあわせて読んでみてください。
よくある質問
気持ち悪い夢を見た朝は、一日じゅう胸がむかむかします。
目覚めたあとも不快感が残るのは、夢が映していたストレスや疲れが、実際にあなたの中にたまっているからです。
夢の場面を何度も思い返すと、かえって気持ちが引きずられてしまいます。冷たい水で顔を洗う、外の空気を吸うなど、体の感覚から切り替えてみてください。
それでも胸のむかつきや吐き気が続くなら、夢のせいと決めつけず、体の不調として医療機関で相談することも大切です。
大好きな恋人のことを、夢の中では気持ち悪いと感じてしまいました。
目覚めてから、ひどいことを思ってしまったと、自分を責めていないでしょうか。この夢は、恋人への気持ちが冷めたというしるしではありません。
距離が縮まるにつれて、ひとりで過ごす時間や、自分だけの考えごとが減り、心が少し息苦しくなっている。その窮屈さが、相手への違和感という形をとって夢に出てきたのです。
好きな人と一緒にいたい気持ちと、ひとりになりたい気持ちは、同じ心の中に並んでいてかまいません。週に一度、それぞれが好きに過ごす日を決めるなど、二人に合ったゆとりのつくり方を探してみてください。

