【夢ことほぎ】川が氾濫する夢の心理学的意味|由来・背景

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【夢ことほぎ】川が氾濫する夢の心理学的意味|由来・背景

川が氾濫する夢が持つ基本的な意味については、こちらの夢占い記事で解説しています。

この記事では、なぜ「あふれ出す川」が、夢の中で、抑えきれない感情の姿として現れるのかを、気持ちをせき止めようとすることと、気持ちが同じところを巡り続けることの危うさを見つめた二つの研究と、人々が暴れ川とどのように向き合ってきたのかという治水の歴史から、掘り下げてみます。

考えないようにするほど、あふれ出す思い

一つ目の視点は、アメリカの心理学者ダニエル・ウェグナーです。ウェグナーは1987年、ある実験の参加者に「これから五分間、白いクマのことだけは考えないでください」と伝えました。

すると、参加者は、かえって白いクマのことを何度も思い浮かべてしまったのです。さらに、考えないように努力したあとで、自由に考えてよいと伝えると、白いクマのことを考える回数は、はじめから考えてよいと言われていた人たちよりも多くなりました。

抑えこもうとした思いは、せき止められた川の水のように、あとから勢いを増してあふれ出してくるのです。

同じ悩みを巡り続ける心

二つ目の視点は、アメリカの心理学者スーザン・ノーレン=ホークセマです。ノーレン=ホークセマは、1989年にカリフォルニアで大きな地震が起きたあと、被災した地域の学生たちの心の変化を調べました。

その結果、地震のあと、つらい気持ちについて、ぐるぐると同じことを考え続けていた学生ほど、落ちこんだ気分が長く続く傾向があることが分かりました。

悩みを考え続けることは、問題を解決するどころか、同じ場所に水をため続けて、心の堤をいっそう危うくしてしまうことがあるのです。

ウェグナーが「せき止めようとするほど、強くあふれ出す思い」に目を向けたのに対して、ノーレン=ホークセマは「同じところを巡り続けるうちに、水かさを増していく思い」に目を向けたといえるでしょう。

水をせき止める夢、渦を巻く夢

川が氾濫する夢で、必死に水をせき止めようとしていたなら、あなたの心は、抑えこんできた気持ちを、そろそろ外へ流したいと願っているのかもしれません。

同じ場所で水が渦を巻いていたなら、ひとつの悩みを、考えすぎているサインなのかもしれません。

では、人々は、暴れ川とどのように向き合ってきたのでしょうか。

せき止めずに海へ導いた禹の治水

中国には、禹(う)という伝説の王の物語が伝わっています。禹の父の鯀(こん)は、たびたびあふれる大河を、堤を築いてせき止めようとしましたが、九年かけても治めることができませんでした。

父のあとを継いだ禹は、やり方を変えます。水をせき止めるのではなく、川底を掘り、水路を開いて、水を海へと導いたのです。

禹は、十三年ものあいだ治水に打ちこみ、そのあいだ、自分の家の前を三度通りながら、一度も中に入らなかったといわれています。

こうして大河を治めた禹は、のちに中国最古の王朝とされる夏の始まりの王になりました。

流れを受け入れた信玄堤

日本でも、戦国時代の武田信玄は、暴れ川として知られた釜無川に、「信玄堤」と呼ばれる堤を築きました。

その工夫は、水を力ずくで押さえこむのではなく、木を組んだ「聖牛」で流れの勢いをやわらげたり、堤にあえて切れ目を設けて、あふれた水をいったん田畑に逃がし、また川へ戻したりするものでした。

水と争うのではなく、水の流れを受け入れながら、うまく導く。その知恵が、人々の暮らしを守ってきたのです。

古代メソポタミアの『ギルガメシュ叙事詩』や、旧約聖書のノアの方舟の物語のように、世界の各地には、大洪水の神話も残っています。洪水は、すべてを押し流す恐ろしい出来事であると同時に、古い世界が終わり、新しい世界が始まるきっかけとしても語られてきました。

川が氾濫する夢が流そうとしているもの

せき止めるほど強くあふれる思いと、同じところを巡り続けて水かさを増す思い。水をせき止めずに海へ導いた禹の治水と、流れを受け入れてやわらげた信玄堤。

川が氾濫する夢は、あなたがいま、心の中の水をどこへ流してあげたいのか、そして、どんな新しい景色を迎えたいと願っているのかを、そっと問いかけているのかもしれません。

ここまでの内容をもとにした、夢の意味をたどる創作ストーリーは、こちらの夢物語でお楽しみいただけます。

よくある質問

夢の中で、あふれる水を必死にせき止めようとしていました。

あふれる水をせき止めようとする夢は、抑えこんできた感情が、限界に近づいていることの表れと読むことができます。

ウェグナーの白いクマの実験が示すように、思いは抑えこもうとするほど、強くあふれ出すものです。

禹の治水のように、せき止めるより、安全な場所へ流してあげることが大切です。信頼できる人に話したり、紙に書いたりして、気持ちを少しずつ外へ流してみてください。

氾濫した川が、同じ場所でぐるぐると渦を巻いていました。

水が同じ場所で渦を巻く夢は、ひとつの悩みについて、同じことを何度も考え続けている状態を映していると読むことができます。

ノーレン=ホークセマの研究が示すように、考えすぎは、かえって気持ちを重くしてしまうことがあります。

散歩や軽い運動、好きな音楽など、心の流れを変えてくれることを取り入れて、渦から少しだけ離れてみてください。

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