
子どものころ、夕暮れの町で、銭湯の高い煙突から白い煙がゆっくり昇っていくのを見上げた。そんな懐かしい光景と重なる煙突の夢を見て、目覚めたあとも、どこか胸の奥がざわめいていた、という方もいるかもしれません。
煙突の夢は、夢占いでは、心の中にたまった感情や思いを外に吐き出したいという気持ち、そして家庭や生活の安定、生命力の強さを映すとされています。
煙突から立ちのぼる煙の色、まっすぐにそびえる姿、その場に漂っていた匂い。夢の中の煙突がどんな様子だったのかを手がかりに、意味を読み解いていきましょう。
煙突の夢の主な意味
- 心の中にたまった感情を、外に出したいという気持ち
- 家庭や暮らしの安定、生活の基盤の強さ
- 立派な煙突は、生命力や運気の高まりを示す吉兆
- 黒い煙や火の粉の夢は、抑えこんだ感情があふれそうなサイン
- 倒れる・ひび割れた煙突は、気力の低下や暮らしの揺らぎへの注意
基本の意味
煙突は、家の中や工場で燃やしたものの煙を、外へと逃がすための通り道です。そのため夢の中の煙突は、心の中にため込んだ感情や疲れを、外へ出して軽くなりたいという気持ちを象徴するとされます。
また、かまどや暖炉、お風呂を沸かす火とつながる煙突は、暮らしの温かさや、家庭の安定を表すものでもあります。
まっすぐで立派な煙突から、白い煙がおだやかに昇っていたなら、心と暮らしが健やかに整っている吉夢。
反対に、黒い煙が勢いよく噴き出していたり、煙突が傾いていたりしたなら、抑えてきた気持ちが限界に近づいていることや、生活の土台が揺らいでいることへの注意を促しています。
心理学的見解
アメリカの心理学者ジェームズ・グロスらは、人が自分の感情をどのように扱っているかを研究し、感じた気持ちを表に出さずに押し込める「表出抑制」と、出来事のとらえ方そのものを変えて気持ちを整える「再評価」を比べました。
その結果、気持ちを押し込めることの多い人ほど、前向きな感情を感じにくく、人とのつながりも持ちにくい傾向があることが報告されています。
現代的な夢の見方に立てば、煙突の夢は、心の中に押し込めてきた気持ちを、どこかから外へ逃がしたいという願いが、煙突という出口の姿を借りて現れたものと読むことができます。
夢の中の煙が、おだやかに昇っていたのか、苦しそうに噴き出していたのかに、いまの心の状態が表れているのかもしれません。
ちなみにヨーロッパでは、煙突掃除人が幸運を運ぶ存在として親しまれてきました。煙突が詰まると火事の原因になるため、煙突をきれいにしてくれる人は、家を守る大切な存在だったのです。
ドイツなどでは今も、新年に煙突掃除人に出会ったり、その服に触れたりすると幸運が訪れるといわれています。
また、サンタクロースが煙突から家に入ってくるというおなじみのイメージは、1823年にアメリカで発表された詩『クリスマスのまえのばん』によって広まったとされています。
煙突は、昔から、幸せが出入りする特別な通り道でもあったのです。
状況別の意味
立派な煙突を見上げる
空に向かってまっすぐそびえる、立派な煙突を見上げる夢は、生命力や行動力が満ちていて、運気が上向いていることを示す吉夢です。
仕事や目標に向かって、力強く進んでいける時期なのでしょう。煙突が堂々として見えたなら、自信を持ってよいサインでもあります。
この勢いを大切に、温めてきた計画をひとつ具体的に動かしてみてください。思っている以上の手ごたえが返ってくるはずです。
何本もの煙突が並ぶ
何本もの煙突が並んでいる夢は、周りの人の力を借りながら、物事がにぎやかに動いていくことを示しています。
仕事や地域の活動で、多くの人と協力する機会が増えていくのかもしれません。煙突がどれも元気に煙を出していたなら、チームの勢いが高まっている証拠です。
見る角度によって本数が違って見えたなら、ひとつの物事にも、いくつもの見方があることを思い出してみましょう。
煙突に登る
煙突のはしごをよじ登っていく夢は、目標に向かって努力を重ね、上を目指していこうとする強い意志を表しています。
高いところまで登れていたなら、努力が実を結び、評価や立場が高まっていく吉兆です。途中で怖くなって手が止まったなら、目標が高すぎて不安を感じているのかもしれません。
一段ずつ確かに登ることを意識して、焦らず進めていきましょう。
細く頼りない煙突
細くて今にも折れそうな、頼りない煙突の夢は、気力や体力が落ちていることや、暮らしの基盤に不安を感じていることを表しています。
頑張り続けてきた分、知らず知らず疲れがたまっているのでしょう。この夢は、無理を重ねる前に、自分を立て直す時間をとるようにという注意です。
睡眠や食事を見直し、心と体の土台を少しずつ太くしていくことを意識してみてください。
汚れた・ひびの入った煙突
すすで真っ黒に汚れていたり、ひびが入っていたりする煙突の夢は、ため込んできたストレスや、心の疲れが限界に近づいていることを示しています。
気持ちを吐き出す場所がなく、心の通り道が詰まりかけているのかもしれません。信頼できる人に話を聞いてもらう、日記に書き出すなど、たまった気持ちを外へ出す方法を、いまのうちに見つけておくと安心です。
煙突が倒れる
煙突が大きな音を立てて倒れる夢は、これまで支えにしてきたものが崩れることへの不安や、生活の安定が揺らぐことへの心配を表しています。
仕事や家庭で、大きな変化が近づいていると感じているのでしょう。ただ、倒れた煙突のあとには、新しいものを建てることもできます。
変化を恐れすぎず、いまのうちに足元を確かめ、次に備える準備を少しずつ始めておきましょう。
白い煙がおだやかに昇る
煙突から白い煙が、空へおだやかに昇っていく夢は、心にたまった感情が、無理なく外へ流れ出ていることを示す吉夢です。
気持ちの整理がうまくいき、心が軽くなっていく時期なのでしょう。家庭や暮らしも、温かく安定していることを表しています。
夢の中の穏やかな景色をそのまま受け取り、自分の気持ちを素直に言葉にする習慣を、これからも大切にしてください。
黒い煙がもくもくと出る
煙突から真っ黒な煙が勢いよく吹き出している夢は、怒りや不満など、抑えてきた感情が限界に近づいていることを表しています。
我慢を重ねるうちに、気持ちの行き場がなくなっているのでしょう。このままでは、思わぬところで感情が爆発してしまうかもしれません。
爆発する前に、気持ちを小出しにすることを意識してみてください。運動や散歩も、心のガス抜きに役立ちます。
煙と一緒に火の粉が舞う
煙突から、煙と一緒に赤い火の粉が舞い上がる夢は、抑えこんできた感情や情熱が、あふれ出す寸前であることを示しています。
怒りや悔しさだけでなく、何かをやりたいという強い思いがくすぶっている場合もあるでしょう。火の粉は、扱い方しだいで、周りを傷つけることも、新しい炎をおこすこともあります。
火事の夢もあわせて読みつつ、その熱を前向きな行動に向けてみてください。
煙が出ていない煙突
煙突から煙が少しも出ていない夢は、気持ちを外に出せずにいることや、情熱やエネルギーが一時的に弱まっていることを表しています。
何に対しても、心が動きにくくなっている時期なのかもしれません。一方で、静かに休んでいる状態とも読めます。
無理に火をおこそうとせず、好きな音楽を聴く、ゆっくりお風呂につかるなど、小さな楽しみから、心を少しずつ温めていきましょう。
煙突を掃除してきれいにする
すすで汚れた煙突を掃除して、すっかりきれいにする夢は、心のもやもやが晴れ、気持ちが新しく整っていくことを示す吉夢です。
ヨーロッパで煙突掃除人が幸運の象徴とされてきたように、この夢は、運気が好転していく前ぶれでもあります。
身の回りの片づけや、気になっていた人間関係の整理など、いまのうちに小さな掃除を始めてみると、さらに流れがよくなるでしょう。
掃除してもきれいにならない
いくら煙突を掃除しても、汚れが落ちない夢は、心の悩みや、長く続いている問題が、なかなか解決しないもどかしさを表しています。
一人で何とかしようとして、空回りしているのかもしれません。自分の力だけで落とせない汚れもあります。
専門家や信頼できる人に相談してみると、思いがけない方法で、心の通り道がすっきりと通ることがあります。
煙突が詰まる
煙突が詰まって、煙が外へ出ていかずに部屋にこもってしまう夢は、言いたいことを飲み込み続けて、心の中が息苦しくなっている状態を表しています。
周りに気をつかうあまり、自分の気持ちを後回しにしているのでしょう。詰まったままでは、いずれ苦しくなってしまいます。
小さなことからでも、自分の本音を伝える練習をしてみると、心に新しい空気が流れこみます。
煙突から誰かが降りてくる
煙突から誰かが降りてくる夢は、思いがけない贈り物や、うれしい知らせが舞いこむことを示す吉夢です。
サンタクロースのように、外の世界から、幸せがあなたのもとへやってくるのでしょう。降りてきたのが知っている人なら、その人との関係に、うれしい変化が訪れる暗示でもあります。
驚きながらも喜んで迎え入れていたなら、チャンスを受け取る準備がすでに整っています。
工場の煙突
工場の大きな煙突が印象に残る夢は、仕事への意欲や、社会の中で役割を果たしたいという気持ちを表しています。
煙を上げて動いている工場なら、仕事が順調に回り、成果が形になっていく時期です。一方で、煙が空を汚しているように感じていたなら、働きすぎで心身をすり減らしていないかの注意とも読めます。
会社の夢も参考に、仕事との向き合い方を見つめ直してみてください。
まとめ
煙突の夢は、心の中にたまった思いを外へ逃がしたいという気持ちと、暮らしや家庭の安定を映し出す夢です。
立派な煙突や、白い煙がおだやかに昇る夢は、心と生活が健やかに整っている明るいサイン。黒い煙や火の粉、詰まった煙突の夢は、抑えてきた気持ちが限界に近づいていることを知らせてくれます。
夢の中の煙が、どんな色で、どんなふうに昇っていたかを、ひとつだけ思い出してみてください。それが、いまのあなたの心の中で、何がどれくらいたまっているのかを教えてくれるはずです。
この夢をもとにした、夢の意味をたどる創作ストーリーはこちらの夢物語でお楽しみいただけます。
アンナ・Oが名づけた「煙突掃除」やペネベーカーの筆記の研究、ブレイクの詩や千住の「お化け煙突」をもっと深く知りたい方は、こちらの夢ことほぎ記事もご覧ください。
よくある質問
煙突の夢を見たあと、なんだか気持ちが軽くなっていました。
夢を見たあとに気持ちが軽くなっていたなら、夢の中で、心にたまっていた感情が、煙のように外へ流れ出ていったのかもしれません。
煙突の夢は、心の換気がうまくいっているサインとして読まれることもあります。その軽さを大切に、日ごろから気持ちをため込みすぎないよう、小さな気分転換を続けてみてください。
夢の中の清々しさが、現実の毎日にも少しずつ広がっていきます。
煙突から出る煙の色が、途中で変わっていました。
煙の色が途中で変わる夢は、気持ちの状態が変化していく途中にあることを表していると読むことができます。
黒い煙が白く変わっていったなら、抱えていた不満やストレスが、少しずつ晴れていく吉兆です。反対に、白い煙が黒くなっていったなら、穏やかに見えて、心の中では負担が増えているサインかもしれません。
最近の自分の気持ちの変化を、一度ふりかえってみてください。

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