【夢ことほぎ】棺桶の夢の心理学的意味|由来・背景

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【夢ことほぎ】棺桶の夢の心理学的意味|由来・背景

棺桶の夢が持つ基本的な意味については、こちらの夢占い記事で解説しています。

この記事では、なぜ棺桶という「終わり」の象徴が、夢の中で、かえって生き方を見つめ直すきっかけや、新しい始まりの合図として現れるのかを、人生の残り時間を意識したときの心の変化を見つめた二つの研究と、人々が棺に託してきた祈りの歴史から、掘り下げてみます。

残り時間を意識すると、大切な人を選ぶ

一つ目の視点は、アメリカの心理学者ローラ・カーステンセンです。カーステンセンは、人が「自分に残された時間は限られている」と感じたとき、何を大切にするようになるのかを研究し、「社会情動的選択性理論」を唱えました。

人は、時間がたっぷりあると感じているあいだは、新しい知識や出会いを広く求めます。けれど、残り時間を意識すると、家族や古くからの友人など、心から大切に思える人との時間を、何より優先するようになるのです。

カーステンセンらは、これが年齢だけでなく、大きな病気や、住み慣れた場所を離れるときなど、「終わり」を意識したときに、誰にでも起きる変化であることを示しました。

自分の最期を思い描くと、変わる価値

二つ目の視点は、アメリカの心理学者フィリップ・コッツォリーノらです。コッツォリーノらは2004年、死について考える二つの方法を比べました。

一つは、死について漠然と考えること。もう一つは、自分が実際に死を迎える場面を、具体的に、ありありと思い描き、自分の人生を振り返ることです。

すると、自分の最期を具体的に思い描いた人たちは、お金や見た目にこだわる気持ちが弱まり、人とのつながりや、自分の成長といった、内側から湧いてくる価値を、より大切にするようになったのです。

カーステンセンの共同研究者たちは、1997年、イギリスから中国への返還を目前にした香港で、人々に「これから三十分、誰と過ごしたいか」をたずねる調査を行いました。

すると、ふだんなら新しい出会いにも関心を示しやすい若い人たちまでもが、返還を前にした時期には、家族や親しい友人と過ごすことを選ぶ割合が高くなっていたのです。

「何かが終わる」と感じることは、年齢にかかわらず、人の心を、いちばん大切なものへと向かわせるのでしょう。

カーステンセンが「残り時間を意識すると、大切な人との時間を選ぶようになる心」に目を向けたのに対して、コッツォリーノらは「自分の終わりを見つめることで、本当に大切な価値に気づく心」に目を向けたといえるでしょう。

大切な人の顔と、これからの生き方

棺桶の夢のあとに、家族や大切な人の顔が浮かんだなら、あなたの心は、その人たちとの時間を、もっと大切にしたいと願っているのかもしれません。

棺桶の中の自分を静かに見つめていたなら、これからの生き方を、根っこから見直す時期に来ているのかもしれません。

あの世への旅を導くエジプトの棺

では、人々は、棺にどのような思いを託してきたのでしょうか。

古代エジプトでは、亡くなった人の体を、美しく彩られた棺におさめました。

棺の内側には、死者が、あの世への旅を無事に終えられるようにと、さまざまな呪文がびっしりと書きこまれていて、それらは「コフィン・テキスト」、つまり「棺の文書」と呼ばれています。

棺は、死者を閉じこめる箱ではなく、次の世界へ旅立つための、舟のような存在だったのです。

旅支度を整える日本の納棺

日本でも、亡くなった人を棺におさめる「納棺」には、旅立ちの支度という意味がこめられてきました。

白い旅装束を整え、三途の川の渡し賃とされる六文銭を持たせるなどして、故人が安心して旅立てるように送り出すのです。

2008年に公開された映画『おくりびと』は、この納棺の仕事に打ちこむ人の姿を描き、アメリカのアカデミー賞で外国語映画賞を受賞しました。

故人の顔を整え、静かに棺へと送り出すその所作に、多くの人が、死を通して生を見つめる時間の尊さを感じたのです。

残り時間を意識することで、大切な人との時間を選ぶようになる心と、自分の終わりを見つめることで、本当の価値に気づく心。

あの世への旅を導く呪文を書きこんだエジプトの棺と、旅支度を整えて故人を送り出してきた日本の納棺。

棺桶の夢が問いかける、これからの時間

棺桶の夢は、あなたがいま、これからの時間を誰と過ごし、何を大切にして生きていきたいのかを、そっと問いかけているのかもしれません。

ここまでの内容をもとにした、夢の意味をたどる創作ストーリーは、こちらの夢物語でお楽しみいただけます。

よくある質問

棺桶の夢を見てから、家族に会いたくなりました。

棺桶の夢のあとに家族に会いたくなったなら、あなたの心が、大切な人との時間の尊さに、あらためて気づいたサインと読むことができます。

カーステンセンの研究が示すように、人は「終わり」を意識したとき、心から大切に思える人との時間を求めるようになるものです。

その気持ちに素直に従って、電話をかけたり、会いに行ったりしてみてください。

自分が棺桶の中にいて、自分の人生を振り返っている夢でした。

棺桶の中で、自分の人生を振り返る夢は、これまでの生き方を見つめ直し、本当に大切にしたいものを確かめようとしている心の表れと読むことができます。

コッツォリーノらの研究が示すように、自分の終わりを具体的に思い描くことは、内側から湧いてくる価値に気づかせてくれます。

夢の中で後悔していたことがあれば、それを、これから始めることのヒントにしてみてください。

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