夢物語

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【連載】夢見町の案内人 ― 白藤の残夢 ― 第六話 欠けた夢日記

朝、目を開けたとき、最初に視界へ入ってきたのは、膝の上のノートだった。昨夜、古い箱の底から見つけて、布団に持ち込んだまま眠ってしまったらしい。薄いクリーム色の表紙はすっかり褪せ、角は丸く擦り切れている。端のほうにだけ、白藤の花房に似た淡い模...
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【連載】夢見町の案内人 ― 白藤の残夢 ―第四話 白藤写真館

朝の机の上に、昨夜拾った写真片が置かれていた。夢の中のものは、目が覚めればたいてい輪郭を失う。なのに、それは薄い朝の光の中でちゃんと紙の重さを持っていて、かえって現実のほうが少し頼りなく思えた。文花は指先でその縁をなぞった。古い写真独特の、...
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【連載】夢見町の案内人 ― 白藤の残夢 ― 第三話 水鏡橋の夢

朝、目を覚ましたとき、喉の奥にまだ水の冷たさが残っていた。部屋はもう明るくなっていて、障子の向こうでは鳥の声までしているのに、わたしの中だけが薄い水底に沈んだままみたいだった。夢の景色ははっきり思い出せない。ただ、古い橋の欄干と、黒い水のゆ...
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【連載】夢見町の案内人― 白藤の残夢 ― 第二話 Golden Anima の灯

翌日の午後になっても、あの言葉は胸の奥に残っていた。――まだ、わたしは帰れていない。朝、目を覚ましたときには夢の輪郭はもう薄れていたのに、その一文だけは、水に濡れた紙みたいにぴたりと心に貼りついて、離れなかった。台所で母が味噌汁をよそってい...
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【夢物語】搬出予定|クレーンの夢

夢占い クレーン 最初に運ばれたのは、わたしの鞄だった。 夢の中のことだ。 更地の向こうに、夜の工事現場があった。建設途中のビルの骨組みのあいだから、長いクレーンのアームだけが空へ伸びている。 先端の赤い灯が、暗い空気の中でゆっくり点滅して...
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【夢物語】白紙答案|壊す夢の物語

夢占い 塾anima 結婚を前にした春、彼女は塾で小テストを受ける夢を繰り返し見る。 書いた答えは次々と消え、返された答案には、赤字でひとことだけ残される。 ――あなたの答えは、まだあなたのものになっていません。 その夢は、いつも小テストか...
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【夢物語】宛先・届くはずのない警告は、いちばん近い場所で鳴っていた。|赤ちゃんが死ぬ夢

夢占い 赤ちゃんanima 妹の健診を控えた朝、奈緒は名もない不穏を残す夢を見る。 誰かに降りかかる異変の予兆と思われたその警告は、連絡の空白をたどるうち、やがて向きを変え、彼女自身の危うさへと静かに届いていく。  赤ちゃんが死ぬ夢をテーマ...
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【夢物語】ひびの音を、まだ知らない

夢占い 壊れるうん、嬉しい。そこが伝わったなら、もうだいぶ近いね。私も、あの方向に寄せたほうがこの話はきれいに立つと思う。今回は、感情を少し引いて、しぐさや音や間で見せるほうへ改稿してみたよ。とくに終盤は、言い切らずに残す感じを意識した。た...
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【連載】夢見町の案内人 ― 白藤の残夢 ― 第一話 宵待駅の黒猫

帰ってきた、と思うには、宵待町は少し静かすぎた。電車が駅へ滑り込むあいだ、わたしは窓に映る自分の顔をぼんやり見ていた。東京を出る朝には、もう少し肩の力が抜けるのかと思っていた。けれど実際はそんなこともなく、スマホの通知を開く気にもなれないま...
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【夢物語】ふたつ目のパン

夢占い パンanima 夢の中にあらわれるパンは、日々を支える糧であると同時に、誰かと食べるよろこびや、身近な人への愛情を映すものともいわれています。 とくに印象に残るパンの夢は、暮らしのぬくもりや、まだ言葉になっていない気持ちを、そっと手...
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【夢物語】朝焼けのホームで会うひと

その夢を、彼女は三度見た。まだ空の色が夜に近い朝、誰もいない小さな駅のホームに、自分ひとりだけが立っている。白い息が、薄青い空気のなかへほどけるたび、遠くの線路がかすかに光って見えた。左手には、古い木のベンチ。右手には、白い自動販売機。そし...
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【夢物語】鏡の中の見送り

その夢の中で、彼女は何度も同じ部屋に立っていた。古い鏡台のある、薄暗い部屋だった。夕方なのか、朝なのかもわからない、青灰色の光がカーテン越しに沈んでいる。鏡の前には自分がいて、けれど鏡の中の自分だけが、いつも少し遅れて動く。夢の中の彼女は、...
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【夢物語】夜明けの札束

夢占い 札束 お金夢の中で、彼女はまだ薄暗い駅前をひとりで歩いていた。空は青にも灰にもなりきらない色で、朝と夜のあわいが、街の輪郭をぼかしていた。ふと足元を見ると、白い封筒がひとつ落ちていた。拾い上げると、中にはきれいにそろった札束が入って...
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【夢物語】数えきれない札束

夢占い 札束 お金夢の中で、彼女は古い実家の和室に座っていた。畳はじっとりと湿っていて、障子の向こうは夜なのか朝なのかもわからない、にぶい灰色だった。部屋の真ん中には、黒い盆がひとつ置かれている。その上に、札束がきれいに積まれていた。一束、...
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【創作】短編夢物語・目次

白蛇の夢の気配を物語で味わう|短編『白蛇の抜け殻』札束の夢の気配を物語で味わう|短編『数えきれない札束』札束の夢の気配を物語で味わう|短編『夜明けの札束』正夢の気配を物語で味わう|短編『朝焼けのホーム』パンの夢の気配を物語で味わう|短編『ふ...
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【夢物語】白蛇の抜け殻

夢占い 蛇その夢の中で、私は古い家の廊下をひとりで歩いていた。夜なのに、闇は濃すぎず、白すぎる月明かりが、細く、静かに、床を照らしていた。障子の桟さんは影を落とし、風もないのに、どこか遠くで紙が鳴るような気配だけがしている。不思議と怖くはな...